今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

セカンドチャンス

2024年06月09日 | 「本」のひきだし

ブクログより




主人公の麻里は51歳、長い介護の末母親を見送った。
気がつけば婚期は過ぎ、不摂生で健康診断は医者も見放すほどのひどい数値。

このままずるずると一生を終えるのかと思っていた矢先、友人に背中を押され、水泳教室に入会、水に浮かぶところから始めて、うまくならないと落ち込んだり、人間関係にめげたりしながら、水泳の楽しさに目覚め、仲間と泳ぐ楽しさを知り、気がつけば数値は医者も驚くほど正常化し、体形も変化。まだまだ人生も捨てたもんじゃない、これからが第二の人生だ、と前を向く。

まぁ、麻里にしてみたらきっかけは水泳でなくても良かったわけだが、多分作者の体験が投入されているんだろうなと思わされる、かなり具体的な練習方法などが出てきたり、泳法についてもかなり専門的に描かれている。
ちょっと水泳をする人なら、あぁそういうことか、それね、という風にわかりやすい。

少し前、高橋秀実の「はい、泳げません」が映画化され見たが、だいぶん原作とは違う方向に脚本化されておりがっかりした。
これも十分に映像化できる話だが、小説だけでいいかな。

人生ちょっと立ち止まった人の背中を押してくれる一冊だ。



セカンドチャンス / 篠田節子

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