フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

アイドルとロック ロックな存在

2010-04-09 21:46:21 | ハロプロ2010

 日曜日にメロンを観てからずっと余韻にやられています。そして考えている事があります。
 それは、このロックなアイドルであるメロン記念日を受け継ぐ後輩はいるのだろうかという事。「ロックな」なんて形容詞を付けると陳腐な感じがして来ないでもないですが、メロン記念日は存在から音楽に至るまでロックなアイドルであったと言い切れます。
 Buono!がいるじゃん!と今、後ろから桃子に言われたような気がしました(苦笑)。Buono!もロック系サウンドを標榜していますね。確かに、Buono!は曲的にはロックなんですが、ちょっと違うのです。ロックというには存在が綺麗過ぎる。ベリキューのエース格が集まったのですから当たり前と言えば当たり前なのですが、存在感に危うさが無い。微妙な立ち位置ではなく、ここに居るべくして居るという確かさ。それは大衆音楽的健全さのような、陽性な魅力がBuono!から発せられているような気がするのです。

【PV】メロンティー/メロン記念日×GOING UNDER GROUND


 私は以前からアイドルというジャンルは基本的には、完全な市民権は得られないもので良いと思っています。認知はされている存在であっても、そこに普遍性めいたものは付いて来なくて良いとさえ感じています。

 かつてのモーニング娘。みたく国民的アイドルと言える存在は、アイドルの歴史上は何人もいました。それは、応援している事に後ろめたさを感じる必要がなく応援出来るアイドル、人前で「○○が好き」と公言出来る存在。
 つんくPがモーニング娘。をロックな存在と言おうが、かつてのモーニング娘。は大衆の真ん中付近に位置していた立派な大衆音楽なアイドル。それはロックではないじゃん!と私は思っていました。大衆音楽だからポップスであるという定義付けだけではなく、多くの人が安心して近づける音楽でした。
 例えばロックはロックでも、大衆に迎合したスタイルでエンターテイメントするロック、その代表格B'zみたいなもので、後ろめたさなどない。全国各地のカラオケで、「日本の未来は~」などと歌われている存在のどこにロックがあるのだ?黄金期のモーニング娘。を見ながら、私はそう思っていたものです。

 B'zに代表されるチャート上位に来るような大衆向けロックサウンドとは別に、ちゃんと世の中にはロックファンが集まるアーティストがいます。ライブハウスで今日もライブをしています。新しいCDがCDショップの新譜ラックのコーナーには置かれなくても、ちゃんとCDをリリースして、それを求めている人がいる。

 ハロプロに於いて、そんなモーニング娘。に対するアンチテーゼ、或いはアナザーサイドとしての立ち位置にメロン記念日が居た事は、ハロプロの奥深さを表す出来事で、メロン記念日がその立ち位置を理解して、自分達の場所を割と早い段階で築き上げた事は絶妙で痛快な流れでした。
 自分達の場所が出来てからのメロン記念日は、かつてのようにモーニング娘。コンサートのゲストには呼ばれなくなり、後藤真希さんや、松浦亜弥さんとジョイントを試みます。
 彼女達もモーニング娘。とは立ち位置が違う人達ですから、一緒にステージに立つ事には違和感がない。
 LAST MELON GREETINGで、娘。OGよりも、松浦さんや前田さんが雰囲気に溶け込んでいて、前田さんに対しては観客から「ゆきどんコール」まで起こった事は、非常に興味深い結果でした。

 しかし、アンチテーゼでありアナザーサイドであるゆえに、モーニング娘。の上に立つ事は、とうとう一度もなく、メロン記念日は静かにラストを迎えようとしています。
 瞬間的にハロプロコンサートで他グループのファンを魅了する事はあっても、結局メロン記念日はモーニング娘。とは立ち位置が違うために上には立てない。世のロックアーティストが面白い事をやっても、それはそれを知るファンのみの快楽であるように、メロン記念日の魅力はあくまでメロン記念日の世界の中で完結していきました。
 最後のメロングリーティングでまで、先輩の娘。メンバーに対するリスペクトを観客に見せなければいけなかったメロン記念日の姿は、まるでゴールデンタイムの音楽番組に出てきたロックアーティストの如く窮屈に見えたのです。

[PV] Buono! - Our Songs


 今のハロプロは、かつての状況とは異なり大衆的なものではなくなりました。今度こそロックだと、つんくPには言ってほしい。その今のハロプロに、やはりメロン記念日的なロック世界を演出出来る存在はいるのでしょうか?
 勿論、メロン記念日の前にメロン記念日無し、メロン記念日の後にメロン記念日無しではありますが、敢えて探してみたいのです。今のハロプロにも、何かに対してのアンチテーゼとして尖れる存在がいるはず。
 そう何かに対して尖る。その点に於いては、Buono!はやはり本流なのです。そこが「ちょっと違う」と思わせる部分かもしれません。

 そう考えると、例えばエッグでくすぶっているメンバーで新しいグループを作ると、ロックな(という言い方はやはり陳腐であるならメロンな)グループが出来上がるのではないかと思い当たりました。
 モーニング娘。オーディション落選者のあの子、そのメンバーと一緒にアニメのユニットをやっていたあの子、スマイレージになれなかったあの子。

 必ずしも表に見えている存在だけが輝いている訳ではありません。ロックな輝きを放つ存在は空位にするのは勿体ない。そういう存在が居る事は、本流に位置するグループの活性化にもつながる事。
 今のハロプロにも、メロン記念日なグループは必要だと私は思います。強引?いえ、綺麗に咲く花だけがアイドルじゃない。アイドルというジャンルは大衆に迎合し過ぎたら面白くない。売れる売れないは、また別次元の話。今のハロプロに、まだそこまでの余裕があるのならば。

 <今回の一曲>
Blankey Jet City - 黒い宇宙

 

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