3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

貧困化する専業主婦層 深刻さを認識できない女たち

2019-10-30 13:20:55 | 女性の地位
日経に専業主婦が貧困に陥っているという記事がでていた。
その前に毎日か朝日にも同じ記事が掲載されていて、貧困専業主婦という本を出した周さんは時の人になっている。
投書欄に専業主婦たちはこぞって「専業主婦への差別だ」と書いている。

しかし、ことは深刻だと思う。
日経は次のように報じている。
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専業主婦世帯に忍び寄る貧困 離職食い止めが急務

かつて日本の標準的な家庭だった専業主婦世帯に、貧困の影が忍び寄っている。18歳未満の子供がいるケースで貧困率が約1割に上ることが、独立行政法人の労働政策研究・研修機構(JILPT)による調査で分かった。子育て世帯の平均をおおむね上回る。夫の収入がリストラなどで減っても、「男が家計を支える」という固定観念から抜けられないようだ。
JILPTが2011年、12年、14年、16年に実施した「子育て世帯全国調査」をもとに、周燕飛・主任研究員が分析した。専業主婦世帯の貧困率は、国の大規模調査でも明らかになっていない。
それによると貧困率が最も高かったのは11年の12.0%。子供のいる夫婦世帯の全体を上回り、妻がパートや非正規で働く「パート主婦世帯」も上回った。
周氏は「08年のリーマン・ショック後の企業のリストラや業界再編を受けて、賃金の抑制や年功序列制度の崩壊が進み、夫の所得が伸び悩んだことが背景にある」と分析する。当時、約50万人の専業主婦が貧困状態にあったと思われる。
その後景気は回復に向かったものの、専業主婦世帯の貧困率は高止まりしている。12年が10.1%、14年が11.8%で、いずれもパート主婦世帯を上回った。16年は5.6%に下がった一方、パート主婦世帯が8.5%と逆転した。

夫の収入だけでは生活が難しくなっても、本格的に働きに出ないのはなぜか。
JILPTの調査で貧困層の専業主婦に理由を聞いたところ、「子育てに専念したい」が48.1%で最も多く、「時間について条件の合う仕事がない」(21.2%)、「子供の保育の手立てがない」(13.5%)が続いた。
周氏は、これらの回答について「子育てが理由の自己都合であり、貧困でも専業主婦でいることを自ら選んでいる」とみる。いずれかを回答した貧困専業主婦は73.1%にのぼった。

経済的にゆとりがないと、家族の食生活や健康、子供の教育などに悪影響が及ぶ。周氏は「貧困でも専業主婦にとどまるのは矛盾した行動」と指摘する。
貧困世帯の親は保育園の利用で本来、有利な立場にある。認可保育園の利用料は所得に応じて決まる仕組みで、貧困世帯だと負担額は少ない。だが調査では、子供の入園を申請し一度でも待機児童になったことのある貧困専業主婦はわずか1割だった。

周氏が対面で聞き取りしたところ、「子供を保育園に預けてまで働くことは考えていない」という回答が多かった。保育園にマイナスのイメージを持ち、「自分が働くと子供に良くない影響が出ると考える主婦が多い」と実感したという。
「夫に夜は副業で働いてほしい」と話す主婦もいた。周氏は「稼ぐのは夫の責任だと考えているようだ」と話す。貧困専業主婦の3人に1人は自分を「とても幸せ」と捉えており、自発的に現状を改善する動きは期待しづらいという。

「男性が家計を支え、女性は補助的に稼ぐ程度でいいという変わらぬ家族規範が根底にある。母親が専業主婦の場合、エコー(反響)効果は大きく、娘の世代で断ち切るのは難しい」と周氏は話している。

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嘆かわしい。貧困に晒されながらもそれを認識できずに依然としてリストラされた夫に尚も働くことを強制し、自分は子育てに専念するか時間的に楽できる範囲でパートに出る、というスタイル。
この人たちは国民年金保険料を払わず夫の年金の傘の下にいる人たち。
働くという選択肢が人生選択上ない、人たちを私は擁護できない。擁護したくもない。
日本は少子高齢化で経済成長も見込めず、高齢者も女性も障がいのある人たちもみな働く必要に迫られているのに、この認識の甘さよ。
彼女らに国民年金を払うためにどれだけの働く人びとが負担しているとおもっているのだろう。この能天気な人びとを覚醒させる手立てはないのだろうか。

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