3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

舞踏会の手帳 その2

2020-02-02 12:32:54 | TVノート
先日、NHKBSで「舞踏会の手帳」をやっていた。
ずいぶん前にこのDVDを見て、このブログに書いていた。
だれか、アクセスしてくれたらしい。
「舞踏会の手帳」には思い出がある。
高校のときのハンサムな倫理社会の先生?社会派の政経の先生?どっちだったか情けないことに忘れてしまったのだが、つまり高校のときの先生がこの
映画の話をしてくれた。舞踏会の手帳の話を倫社の授業中に話してくれたのであり、懐かしすぎる思い出である。
昔の高校の先生は素敵だった。フランス思想と文学、ベルレーヌ・・こんな話を授業中に何気なく盛り込んでくれた先生たちの教養に敬服するのである。
高校生の私は、「舞踏会の手帳」をいつか見たいと思っていた。で、ずいぶん経った秋の日にDVDを買ってみて、涙したのであった。
それは、高校生のときの私自身の遭遇であったのかもしれない。
ヴェルレーヌの詩

感傷的な会話
           ヴェルレーヌ

人気もなく凍った廃園の中
二つの影がたったいま通り過ぎた。

その目は死んで唇はゆるみ、
話す言葉はほとんど聞こえない。

人気もなく凍った廃園の中
二つの亡霊が過去を呼び起こした。

―きみは思いだすかい、昔の陶酔を?
―なぜあなたは私に思いださせたいの?

―ぼくの名前を聞くだけで今でも胸がときめくかな?
今でもぼくの魂を夢にみるかい? ―いや。

―ああ! えもいわれぬ幸福なあの美しい日々、
ぼくらの唇を合わせた頃! ―そうだったかもしれない。

―あんなに青い空、あんなに大きな希望が!
―希望は打ち負かされて、黒い空に逃げ去った。

こうして二人はからす麦の中を歩いていった、
ただ夜だけが二人の言葉を聞いた。
・・・・・・・・・・・・・・
あんなに青い空、あんなに大きな希望があったのにいつか希望は打ち負かされて黒い空に逃げ去った。
年を重ねた今、あのときの青い空と希望を思い起こしますます涙が出るのである。


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