生が最高！

ビールのお話ではなく、音のお話。

食べ物には野菜やお肉やお魚などの生鮮品と、そうではない加工品があります。
音にも生の音と、そうではなく加工された音やバーチャルで届けられた音があると感じています。
人の話声、お皿の割れる音、動物の鳴き声などは「生」の音。
テレビや音楽プレーヤーからの音、生活のいろいろな場面で合図として使われている電子音などは「生」ではない音。

「生音」は、物と物がこすれたりあったりぶつかったり、人や動物が声をだしたり、
目の前にある何かが直接発する音。
「生ではない音」は、音を録音したり電子的に作ったりして、スピーカーから再現される音。

冷凍やフリーズドライが採れたて新鮮な生鮮品にかなわないことは、ご存知の通りです。
けれど昨今、生活の場面で囲まれている音たちは、スピーカーから出てくる音のなんて多い事か…。
こちら側の都合もくみ取ってくれず、音の出る大元の実態感すらなく、
一方的に突然に、まるで業務のように鳴るのです。

音も生が一番！です。
ちゃんと心に歩み寄ってくれるから。
風の音のように、様々な繊細な変化があるから。
たとえそれがお皿の割れる音や、すりガラスに爪を立てる音であっても、物の実態感があるだけましです。笑

楽器からも「生」の音が出ます。
音を表現し伝えるためだけに発達した、摩訶不思議な物体です。
お腹の足しになるわけでもないのに、人類はその音を求め改良してきました。

大好きな人の声に耳を傾けるように、お家のピアノを触って欲しいと思います。
きっと今までとは違った音の世界の広がりが、聴こえてくるはずです。