サッカー日誌 / 2010年10月02日


堅実なザック監督の代表選び


キリンチャレンジ2試合の顔ぶれ発表
(9月30日 JFAハウス)

◇骨格は南アW杯代表
 ザッケローニ監督が初めて指揮を執る10月初旬の親善試合の日本代表メンバーが発表された。顔ぶれをみての最初の感想は「ザックは堅実だな」ということである。
 就任して間もなくで、選手たちを十分には知らないのだから、とりあえず、これまでの主力を中心にしたのは穏当である。
 しかし、世間の会社などでは、部長に就任すると「これからは、おれが仕切るんだ」とばかり、いきなり事務室の机の配置まで変えるような人もいる。ザックはそうはしなかった。
 ザッケローニ監督が選んだ25人のうち、ワールドカップ南アフリカ大会のメンバーは14人。中澤祐二の抜けたセンターバックは、闘莉王とのコンビの相手が変わるが、それ以外の骨格はワールドカップ・チームと同じになるだろう。

◇チーム作りの3つの目標
 この時点での日本代表のチーム作りには、3つの目標がある。
 第1に「近い目標」として2つの国際親善試合がある。10月8日のキリンチャレンジカップ、アルゼンチン代表との対戦、さらに12日のソウルに遠征しての韓国戦である。今回発表されたのは、この2試合のためのメンバーである。
 第2に1月にカタールで開かれるアジアカップがある。ザッケローニ監督は、このアジアカップを「もっとも重要な目標」と考えているだろう。親善2試合が終わった後で「自分の手で選んだ」代表チームを作り始めなければならない。
 第3に2014年にブラジルで開かれるワールドカップがある。その前にアジア予選を突破しなければならない。日本サッカー協会にとっては重要な目標である。しかし、ザックにとっては、とりあえず視野に入れておくだけの「遠い目標」だろう。

◇どう組み合わせるかが見どころ
 このような考え方をすれば、今回の顔ぶれに「ザック色」を探すのは、あまり意味がないかもしれない。ザックが選んだというよりも、ザックに与えられたメンバーである。監督の考え方は、アルゼンチンと韓国という、まったくタイプの違う相手に、与えられた選手を、どう組み合わせて臨むかによって見ることになる。
 代表初選出は本田拓也(清水)と関口訓充(仙台)の2人だった。ドリブルによる突破力がある関口に注目したいが、ワールドカップ代表だった欧州組がそろっているFW陣のなかで、どう使うのだろうか? 
 ゴールキーパーの3人目に権田修一(FC東京)が入った。21歳の若手である。これは「遠い目標」を視野に入れたものかもしれない。長い間、楢崎、川口の時代が続いていたが、2人が退いたのを機会に将来を担う才能を加えたのはいい。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
     

Copyright(C) 2007 US&Viva!Soccer.net All Rights Reserved.