南アフリカW杯 / 2010年07月04日


一転、欧州勢の大会に


南ア・ワールドカップ旅日誌(27)
7月3日(土)

準々決勝 第2日
ドイツ 4対0 アルゼンチン
(ケープタウン)=テレビ=
スペイン 1対0 パラグアイ
(ヨハネスブルグ エリスパーク)  

◇アルゼンチンも消える
 前日のブラジル敗退に続いて、アルゼンチンも姿を消した。ラウンド16までは南米勢のワールドカップの様相だったが、準々決勝になって一転、欧州勢の大会になった。
 ケープタウンで行われたドイツ対アルゼンチンは、ヨハネスブルグ・エリスパーク競技場のメディアセンターのテレビで見た。南米対欧州の第2ラウンド、優勝争いのヤマ場だというので、500人ほど収容できる報道人の仕事場で、17台のテレビに各国の記者がかじりついている。ドイツ人の記者のグループもいて、ドイツのゴールに飛びあがって歓声をあげる。
 ドイツが立ち上がり3分にフリーキックのチャンスを生かして先制、後半に左サイドから反撃の裏側を突いて3点を追加、意外な大差になった。ドイツがしっかりとアルゼンチンを研究して対策を立てた成果だろう。

◇スペインがパラグアイに苦戦
 スペインは思いのほかにパラグアイにてこずった。短いパスをすばやくつなぐ攻めでは、パラグアイのゾーンの網による守りを崩せない。スペインは欧州のAクラスで有力な優勝候補、パラグアイは南米のBクラスだがスペインにとっては相性の悪い相手のようだ。
 後半16分ごろ、パラグアイがPKを得たのにカルドソが失敗して貴重な勝機をのがした。その直後にスペインがPKを得てシャビ・アロンソ決めたように見えたが、味方がペナルティエリアに入っていて「やり直し」となり、今度はゴールキーパーに取られて失敗。2分ぐらいの間に3度のPKがあり、全部得点にならないという珍ケースがあった。
 後半38分のスペインの決勝点も珍ケースだった。イニエスタのシュートが左ポストに当たって跳ね返ったのをビジャが拾って再シュート、これも右ポストに当たったが、跳ね返ったボールがゴールに中に入った。


勝利を喜ぶスペインのサポーター。

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南アフリカW杯 / 2010年07月04日


優勝を争うレベルの戦い


南ア・ワールドカップ旅日誌(26)
7月2日(金)

準々決勝
オランダ 2対1 ブラジル
(ポートエリザベス)=テレビ=
ウルグアイ 1対1(PK戦) ガーナ
(ヨハネスブルグ サッカーシティ)  

◇ブラジル敗れる
 いよいよ準々決勝。優勝を争うレベルの試合は、これからである。
 早めにヨハネスブルグのサッカーシティ競技場に行って、メディアセンターのテレビで、午後4時からポートエリザベスで行われているブラジル対オランダを見た。ブラジルが1対2で逆転負け。よかったのは先取点をとるまでの最初の10分だけで、あとは持ち前の奔放な攻撃力を実らせる気配も見えなかった。カカがシュートを何度も枠の外にはずした。オランダの対応がまさったのか? ブラジルが調子を崩したのか? 現場で試合を見た人の意見を聞いてみたい。
 主審は日本の西村雄一氏だった。難しい試合を毅然とした態度でよくさばいた。後半、2対1となったあとに、ブラジルのフェリペ・メロにレッドカードを出した。再生映像で見ると、ファウルで倒したあと相手のモモ(腿)を踏んづけている。しっかり見ている。

◇ガーナの未来を考える
 夜、8時半からはサッカーシティでウルグアイ対ガーナを見た。1対1で延長になり、PK戦でウルグアイが残った。
 ガーナはいいチームだった。身体能力やボール扱いがいいだけでなく、一人一人の判断力がよかった。グラウンド全体が見えていて攻守を組み立てている。欧州のプロを夢見て、素質のある少年たちが組織化されたトレーニングを受けるようになり、若いうちから欧州のクラブでプレーしている。それを、セルビア出身のライエバック監督がまとめている。
 おかげで、欧州スタイルの規律のあるチームになっているのだが、その反面、西部アフリカらしい野性味のある個性派はいない。ガーナのサッカーが、さらに一まわり大きく育つためには、国中の子どもたちの奔放なサッカーのなかから才能が育ってくるような環境が必要かもしれない。


ガーナを応援する人たち。右端は、ビバ!仲間の阿部博一さん。

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