サッカー日誌 / 2009年03月06日


東京五輪招致に反対する(2)


日本のスポーツに役立つ施設を

★国際競技団体の過大な要求
 オリンピックのためのスタジアムには、陸上競技のトラックが9レーン必要である。国際陸上競技連盟がそう決めているからである。
 現在、首都圏に9レーンのトラックを持つスタジアムは2つある。東京の味の素スタジアムと横浜の日産スタジアムである。観客席は味スタが4万9,970人、日産が7万2,327人。オリンピック基準の8万人には及ばないが、日本で陸上競技会を開くには十分すぎる収容能力である。これ以上の大スタジアムは必要ない。
 国際陸連と国際オリンピック委員会は、日本のスポーツためを考えて基準を決めているわけではない。自分たちの都合で、せいぜい10日間のイベントのために、過大な要求をしているのである。国際競技団体の都合による無理な基準に合わせて、大会後に使い道のないスタジアムを作ることはない。そこまでしてオリンピックを開催する必要はない。

★各地にトレーニングセンターを
 日本の陸上競技を発展させるために必要なのは8万人の巨大な陸上競技場ではない。
 陸上競技をしている人たちにとって必要なのは、いつでも利用できるトレーニングのための施設である。日本各地に練習施設があれば、多くの人たちが陸上競技に親しみ、レベルを向上させることができる。
 たとえば北海道には、400メートルのトラックを持つ大室内トレーニング場を建設してはどうか。冬でも雪国の人が集まって、のびのびと練習することができる。
 ある県にはハンマー投げ専門のセンターを作る。室伏選手が、そのセンターの指導員になる。ハンマー投げの競技者人口は比較的、少ないかもしれないが、全国から利用者が集まれば、いい指導を受け、お互いに競い合い、効率的な練習ができるだろう。
 こういう施設のほうがオリンピック会場よりも日本のスポーツのためになる。

★長期分散型の施設作りを
 オリンピックは、短期集中型のイベントである。多くのスポーツと多くのアスリートを、短い期間に、一つの都市に集めて開催する。施設も狭い地域に集中して用意される。しかし大会期間が終わると、人びとは散り散りに去り、利用しにくい施設が集中して残る。あるいは壊されて土地は転用される。
 同じお金と労力をかけるなら、のちのちまでも利用できる施設を各地に分散してつくるほうがいい。短期集中でなく、長期分散型がいい。
 「オリンピックを開けば施設が残る」という考えがある。しかし、役に立たない施設を残してもしかたがない。オリンピックを開催しなくても必要な施設は作るべきである。
 スポーツ施設だけではない。道路だってそうだ。オリンピックのための道路を作るのではなく、都民の日常生活に必要な道路をオリンピックがなくても整備してもらいたい。

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