
松山ビル。墨田区緑1-16。2007(平成19)年5月23日
京葉道路(千葉街道)と清住通りとの交差点が緑一丁目交差点で、その東南角の松山ビルはランドマークのように見られていたのではないかと思う。西南角がキングサイズの洋品店「ライオン堂」。
松山ビルは『日本近代建築総覧』に「松山ビル、墨田区緑1-16-4、建築年=昭和4年、構造=RC、設計・施工=清水組」で載っている。なんとも薄っぺらなビルで、厚さは乗用車1台分くらいしかない。
2016年5月頃に解体されたようだ。京葉道路拡張のため、という。ビルの後ろの5棟くらいあった家も同時に取り壊され、今は時間貸し駐車場になっている。

松山ビル。墨田区緑1-16。2007(平成19)年5月23日
清住通り側の家並み。松山ビル右の「ギャラリーもりた」は1969年の地図では「八百寅」。とんかつの「とん喜」と「中村絲店」はその地図でも同じ。写真右のビルは日本勧業銀行が変わって「りそな銀行本所支店」。
この辺りは墨田区の中心街の一つで、総武線両国駅と墨田区役所(旧本所区役所、吾妻橋一丁目に移動)が北に、京葉道路沿いに本所警察署がある。
かつては二つの大通りを都電が走っていて、緑一丁目交差点は「東両国緑町(みどりちょう)」電停が置かれた。京葉道路を走っていたのが25番と29番で、25番は「西荒川-小松川-亀戸駅前-錦糸堀-東両国緑町-須田町-神田橋-日比谷公園」を、29番は「葛西橋-大島-錦糸堀--東両国緑町-須田町」を運行した。清住通りは23番「福神橋-押上駅前-吾妻橋一丁目-駒形橋-本所区役所前-東両国緑町-門前仲町-月島八丁目」が運行した。25番は昭和43年9月に、23番と29番は昭和47年11月に廃止になった。
主要な銀行のほとんどが緑一丁目交差点を中心にした場所に支店を出していた。1969年の地図で拾ってみると、富士銀行、三菱銀行、大和銀行、第一銀行、日本勧業銀行、三和銀行の各本所支店、協和銀行本所支所と懐かしい名前が並ぶ。
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