ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




ソニービル。中央区銀座5-3。2016(平成28)年1月1日

今年3月いっぱいで取り壊しになるソニービル。まもなく見納めである。1966年4月15日竣工、設計は芦原義信、施工は大成建設。
『銀座建築探訪』(藤森照信・増田彰久著、白揚社、2012年、2800円)にソニービルが計画段階の時のエピソードが述べられているので、それを紹介する。当時、ビル建設に関わった黒木靖男氏に取材したものだ。
現在のソニービルの建っている場所には20坪ほどの小さなビルがあって、そこにソニーのショールームがあった。周りを買収して214坪にして、ショールーム専用のビルを建てることにしたが、どのような建物にするか、なかなか決まらない。社長の盛田昭夫(1921-1999)は設計者の芦原義信(1918-2003)と黒木氏ら3人を集めてホテルオークラの一室で徹夜のブレーン・ストーミングをおこなう。盛田がF.L.ライトのグッゲンハイム美術館の名を口にしたのがきっかで具体的に話が進みだす。エレベータで上に上がってから自然に降りていくという平面のコンセプトだ。当初のビルのあった三角地は空き地としてさまざまなイベントに提供することは、芦原の発議ですぐ盛田が賛同した。
テナントの招致には盛田自身が率先して動いた。その結果が、トヨタ、専売公社、フジフイルム、東レ、大成建設。地下は制限がなかったので5階分も掘ってしまった。マキシムも盛田が口説いた。また、ソニー直営のソニープラザを入れた。1966年4月29日にオープンした。当時ぼくはまだ学生だった。ビートルズが来日した年である。

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