ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



まるたか。中央区日本橋本町1-3
1987(昭和62)年1月25日

昭和通りの、江戸橋から北へ少し行ったところの路地を入ったところで、写真の小料理屋の建物はとんかつの「かつ平」の店になって、あまり変わらない姿で残っている。「まるたか」は昭和20年代の火保図にすでに出ているので、戦後まもなく開店した店かと思われる。その地図ではまるたかの向かいは「本町湯」。昭和7年の火保図では、その銭湯が「甲子湯」で、その横(写真手前右)に「魚河岸シネマ」がある。
建物もすでにないだろうと思っていたので、「まるたか」をネット検索したらいくつものサイトが出てきたのには驚いた。今はどうやら、伝説の店となったようだ。
戸 板 康 二 と 歩 く 東 京>#001 日本橋「まるたか」跡でとんかつを食べる』には、「久保田万太郎の行きつけで」、安藤鶴夫『ある日・その人』(婦人画報社、昭和37年4月)に記述があるそうで、宮田重雄による店の挿絵が転載されている。『東京うまい店二〇〇店』(奥野信太郎・狩野近雄・寺下辰夫・山本直文編、柴田書店、昭和38年)の記事が紹介されていて、それには「戦争前は蛎殻町でやっていたが、ここ十年、今の店。夫婦二人、お客もせいぜい十四、五人。……久保田万太郎御推称で、芝居の人、銀行の人が多い。……カウンター七席、テーブル四人がけ二脚」とある。

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