ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



東京大学工学部3号館。文京区本郷7-3
1989(平成1)年9月10日

弥生門の外から撮った建て替え前の工学部3号館。弥生や池之端を歩いていた時に、ついでに撮ったもので、旧3号館はこの写真しかない。内田祥三の設計で1939(昭和14)年に竣工した。平面は正方形の、弥生門に向いた角を切り落としたような五角形で、中庭の弥生門側に4階建ての部分が張り出している。
セピア色の三号館 電気系同窓会・歴史アーカイブ』というサイトがあって、古いことを知るのに参考になる。『5角形の工学部3号館』には「工学部3号館は昭和16年(1941)〈?〉7月に、電気工学科・船舶工学科の建物として建てられた。地上3階(一部4階)地下1階、延べ面積6,285㎡と記されている」とある。また、「電子工学科」が設置されたのが昭和33年で、そのため研究室などが必要になって4階を増築した。
2010年に3号館を建て直すために解体された。新しい建物は内田ゴシックの外観が復元された。『東京大学本郷キャンパス』(東京大学出版会、2018年、2800円+税)には「建築が連なってつくる外部空間の質がキャンパスにとって重要であるとの認識と、特に歴史的地区においては、建築の外皮だけでも残すべきだという、キャンパス空間特有の価値判断があった」としている。ぼくは無理に復元しなくても、と思ってしまうがどんなものだろう?



新・工学部3号館、南側。2019(平成31)年4月18日

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