ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




鳳明館台町別館。文京区本郷5-12。1988(昭和63)年10月16日

鳳明館本館の東の玄関のある小道の向かい側に鳳明館台町(だいまち)別館がある。戦後間もない昭和26年に営業を始めている。本館だけではさばききれないほどの客があったのだろう。昭和28年には森川別館が建てられる。
台町は旧町名で、江戸期から菊坂台町があり、1965年に現在の本郷5丁目に編入された。鳳明館本館の東の道から東側は戦災で焼失している。昭和22年の航空写真には鳳明館台町別館の敷地には小さな切妻屋根の家が1棟あるだけだ。
1999年7月に「『歴史ある建物の活かし方』出版記念シンポジウム」が行われ、鳳明館の小池邦夫氏が「こだわりを持った和風旅館」という題で講演している。それによると、台町別館は自宅として普請が始まったようである。完成まで2年以上かかったそうだ。小池氏自身が建物や凝った建具などの価値を知らずに、便利なようにと改装してしまった個所があると正直に言っているのが面白い。





鳳明館台町別館。浴室が八角形のものに建て替えられている。2007(平成19)年2月17日

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