ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




渡辺商店。千葉県松戸市小山56。1989(平成1)年4月1日

流山街道の小山地区にはまだいくらか旧街道の俤を感じられる建物が残っている。流山街道とは言っても松戸―市川の松戸街道につながっていて、その認識が強いかもしれない。松戸駅―市川駅の京成バスが頻繁に行き来している。戦前は南の台地や矢切からの作物を野菜市場に運んでくる農家を相手に商店が並んだらしい。
渡辺商店はナショナルの看板があって電機店のように見えるが荒物雑貨屋である。建物は二軒長屋で右側の「みちくさ」というお好み焼き屋は廃業しているようにも見える。
現在は写真右端のイシカワ理髪店が家を建て直して商売は続いている。魚浦鮮魚店は同じ建物で健在。みちくさは壁などを改装して住居として使われている。渡辺商店もそのまま残っているが見たところ空家で、ナショナルの看板は折れ曲がってしまって廃墟にしか見えない。



秋本木工。松戸市小山73。1989(平成1)年4月1日

渡辺商店の南に隣接して、やはり渡辺商店の建物と同じような建物が残っている。『昭和の松戸誌』(渡邊幸三郎著、崙書房出版、2005年)の昭和12年の街並図では「藪崎板金」。その隣が写真右端の看板建築のような建物で、これが「秋本木工」。『昭和の松戸誌』では「秋本棒屋」で、解説では「秋本棒屋は三代目。現在は数少ない職業。健在」。秋本木工は今もそのままだが、写真の古い2棟の家は建て替わった。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )