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大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

まどか乃木坂学院高校演劇部物語・22『大阪に転校したはるかちゃん』

2019-11-01 06:44:42 | はるか 真田山学院高校演劇部物語
まどか 乃木坂学院高校演劇部物語・22   
『大阪に転校したはるかちゃん』 


 
 
 まあ、帰ってから聞いてみよう……ぐらいの気持ちで家を出た。

 で、あとは、みなさんご存じのような波瀾万丈な一日。
 帰ったら、お風呂だけ入って、バタンキュー。
 で、今日は朝からスカートひらり、ひらめかせっぱなし。

 お父さんの「も」にかすかなインスピレーション感じながら、中味はタイトルに『大阪に転校したはるかちゃん』と、あるだけで、あとははるかちゃんとの思い出ばっかし。
 提出すると、プッと吹きだして、先生はわたしの目を見た。
「あ……いけませんでした?」
「いいわよ、文章が生きてる。仲さん、あなた、はるかちゃんて子とスカートめくって遊んでたの?」
 先生はは地声が大きい。クラス中に笑い声が満ちた。
「違います!」
「だって」
「次の行を読んでください!」
「アハハ……」
 声大きいって! クラスのみんなの手が止まってしまった。
「な~る……みんな、続きがあるからね。そうやって、いかにスカートをカッコヨクひらめかせるか研究してたんだって。はい、名誉回復」
 ……してないって。席にもどるわたしを、みんなは珍獣を見るような目で見てるよ。

 そうやって、恥かきの一時間目が終わって、わたしは携帯のメールをチェックした。昨日からのドタバタで、丸一日携帯を見ていなっかたんだ。
「あ!」
 思わず声が出て、わたしは自分の口を押さえた。運良く、教室の喧噪にかき消されて、だれも気づかなかった。

 アイツからメールがきていた。

 一年ぶりに……。

 そこには、二つのメッセージがあった。
――ありがとう、勇気と元気。潤香さんお大事に。
 二十字きっかりの短いメッセの中に、わたしへの思いやりと、潤香先輩への気遣いがあった。
 万感の思いがこみ上げてきた……そうだ、潤香先輩。

 そこに、里沙と夏鈴が割り込んできて、わたしは慌てて携帯をオフにした。
「今日、三四時間目も自習だよ!」
 夏鈴が嬉しそうに言った。
「音楽の先生、インフルエンザだって」
 里沙が続けた。
「で、わたし考えたの……!」
 夏鈴が隣の席を引き寄せて腰を下ろした。
「な、なによ?」
 思わず、のけぞった。
「音楽の自習って、ミュージカルのDVD観るだけらしいからさ」
 そりゃ、急場のことだからそんなとこだろう。
「で、考えたの。自習時間と昼休み利用して潤香先輩のお見舞いにいけないかなって!」
「そんなことできんの?」
「生徒だけじゃ無理だけど、先生が引率ってことなら」
 里沙が携帯をいじりだした。
「そんな都合のいい先生っている?」
「……いるのよね。マリ先生空いてる」
「里沙、先生の時間割知ってんの?」
「うん、担任とマリ先生のだけだけどね。なんかあったときのために。今日は放課後部室と倉庫の整理じゃん。それからお見舞いに行ったら夜になっちゃう」
「三日続けて深夜帰宅って、親がね……」
「でも、そんなお願い通ると思う? マリ先生、そのへんのケジメきびしいよ」
「うう……問題は、そこなのよね」
 里沙が爪をかんだ。
「……さっき、マリ先生に言ったらニベもなかった」
 二人とも、アイデアとか情報管理はいいんだけどね……。
「……わたしに、いい考えがある!」

 三人は、エサをばらまかれて首を寄せた鳩のように、ヒソヒソ話をしだした……。
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