ライオンが口をきいた……!!
「キャー、ライオン!」
ミファが驚いた。
「ウワー……!」
ライオンも驚いて、叫び声をあげ、「く」の字の奥の方へ逃げていってしまった。
「大丈夫だって! この子たちは、キミを助けに来てくれたんだよー!」
「ほんと……?」
「ほんと」
「ほんとに、ほんと……?」
「ほんとに、ほんと……だってば!」
「ウワー……怒鳴らないでよ」
ライオンは、おそるおそる「く」の字の角から顔を出した。
「わたし、このジョルジュの友だちのミファ……」
「わたしは……二人の友だちのマユ」
「……どうも、ボクは、ライオン」
「でも、なんだか元気のないライオンさんね」
「ど、どうも……ボク頭はいいんだけど、勇気が無くて」
「入り口に、あんな仕掛けしたのキミ?」
ジョルジュが、あきれたように聞いた。
「ああ、奥の方に別の出口があってね、入り口を塞いで、侵入者が驚いているうちに逃げだそうと思って」
「そうとうの怖がりんぼね」
「サンチャゴじいちゃんのライオンとは、かなり違うみたいね」
「え、ボクの他にライオンがいるの?」
「あ、おじいちゃんの夢の中にね」
「うらやましいね、夢がみられるほど眠れて」
「眠れないの、ライオンさん?」
「うん、いろいろ心配やら、怖いことが、頭に浮かんでくるんだ」
「羊の数でも数えればいいのに」
「だめだよ。だって羊が怖いんだもん」
「なんで、こんなライオンさんに関わったの?」
ミファが、腕組みをした。
「だって、最初に会ったときは、こんなじゃなかったんだもん」
「あのときは、ハングライダーで降りてきたばかりで、テンションが高かったから」
「ハングライダーでやって来たの?」
「うん、たたんで奥の方に隠してある」
「……で、どういうわけでここに来たの?」
マユが、肝心なことを聞いた。
「レミが、ここへ来るように教えてくれたんだ」
「レミが……?」
マユは悪い予感がした。そもそもレミは、このファンタジーの世界のゴタゴタにマユを巻き込んだ張本人だ。
「レミが、ここに来れば、助けてくれる魔法使いがいるって」
「魔法使いって……」
「北の魔女のブリンダより優しくって、オズの魔法使い……ほど強くはないけど、力になってくれる女の魔法使いがいるって」
ミファが、ゆっくりとマユの顔を見た。
「それって、ひょっとしてマユのことじゃない……?」
「いいかげんにしてよ。いま、サンチャゴじいちゃんの件かたづけたとこだよ。だいいち、わたしは魔法使いじゃないし」
「似たようなもんじゃない……」
というわけで、今度は、ストローハットをかわいい飛行機にして空を飛んでいる。
ライオンのハングライダーでは、二人は飛べないから。
なんの用事かは、ライオンは言ってくれなかった。
「来てくれれば分かる」
その一言で行く……ほど、マユは、お人好しではない。
「いいかげんに……」という言葉が口をついて、「してちょうだい!」という、残り半分の言葉が頭に浮かんだとたん、久々にカチューシャに頭を締めつけられたからなのだ。
やがて、飛行機は黄色い道を見つけ、その道に沿って、低く飛んだ。
「キャー、ライオン!」
ミファが驚いた。
「ウワー……!」
ライオンも驚いて、叫び声をあげ、「く」の字の奥の方へ逃げていってしまった。
「大丈夫だって! この子たちは、キミを助けに来てくれたんだよー!」
「ほんと……?」
「ほんと」
「ほんとに、ほんと……?」
「ほんとに、ほんと……だってば!」
「ウワー……怒鳴らないでよ」
ライオンは、おそるおそる「く」の字の角から顔を出した。
「わたし、このジョルジュの友だちのミファ……」
「わたしは……二人の友だちのマユ」
「……どうも、ボクは、ライオン」
「でも、なんだか元気のないライオンさんね」
「ど、どうも……ボク頭はいいんだけど、勇気が無くて」
「入り口に、あんな仕掛けしたのキミ?」
ジョルジュが、あきれたように聞いた。
「ああ、奥の方に別の出口があってね、入り口を塞いで、侵入者が驚いているうちに逃げだそうと思って」
「そうとうの怖がりんぼね」
「サンチャゴじいちゃんのライオンとは、かなり違うみたいね」
「え、ボクの他にライオンがいるの?」
「あ、おじいちゃんの夢の中にね」
「うらやましいね、夢がみられるほど眠れて」
「眠れないの、ライオンさん?」
「うん、いろいろ心配やら、怖いことが、頭に浮かんでくるんだ」
「羊の数でも数えればいいのに」
「だめだよ。だって羊が怖いんだもん」
「なんで、こんなライオンさんに関わったの?」
ミファが、腕組みをした。
「だって、最初に会ったときは、こんなじゃなかったんだもん」
「あのときは、ハングライダーで降りてきたばかりで、テンションが高かったから」
「ハングライダーでやって来たの?」
「うん、たたんで奥の方に隠してある」
「……で、どういうわけでここに来たの?」
マユが、肝心なことを聞いた。
「レミが、ここへ来るように教えてくれたんだ」
「レミが……?」
マユは悪い予感がした。そもそもレミは、このファンタジーの世界のゴタゴタにマユを巻き込んだ張本人だ。
「レミが、ここに来れば、助けてくれる魔法使いがいるって」
「魔法使いって……」
「北の魔女のブリンダより優しくって、オズの魔法使い……ほど強くはないけど、力になってくれる女の魔法使いがいるって」
ミファが、ゆっくりとマユの顔を見た。
「それって、ひょっとしてマユのことじゃない……?」
「いいかげんにしてよ。いま、サンチャゴじいちゃんの件かたづけたとこだよ。だいいち、わたしは魔法使いじゃないし」
「似たようなもんじゃない……」
というわけで、今度は、ストローハットをかわいい飛行機にして空を飛んでいる。
ライオンのハングライダーでは、二人は飛べないから。
なんの用事かは、ライオンは言ってくれなかった。
「来てくれれば分かる」
その一言で行く……ほど、マユは、お人好しではない。
「いいかげんに……」という言葉が口をついて、「してちょうだい!」という、残り半分の言葉が頭に浮かんだとたん、久々にカチューシャに頭を締めつけられたからなのだ。
やがて、飛行機は黄色い道を見つけ、その道に沿って、低く飛んだ。
そして、ポピー畑の真ん中で眠っている女の子を見つけた。
「どこかで、見たような……」
「どこかで、見たような……」
そう思いながら、マユは、飛行機を、ポピー畑の側の黄色い道に着陸させた。
飛行機を降りて、その眠っている子を見て気がついた……。
飛行機を降りて、その眠っている子を見て気がついた……。