日本で、笑っちゃうもの(アリスの日記より抜粋)
NHKのアナウンサーの顔(証明写真の動画版みたい。民放でもたまにいる)
キンタローのAKBのモノマネ(彼女六頭身はあるのに、どうして四頭身と言うのかな。立派なダンサーだ)
選挙の演説(ムツカシイ日本語で、半分は意味分からないけど、きっと分かっても分からないだろう)
選挙演説を聴いてる人(エキストラかと思った。大人に聞いたらサクラがいるとか。サクラって何?)
大阪の整列乗車(電車が来たとたんに列が崩れる。千代子は「なんちゃって整列」と言ってた)
ママチャリの3人乗り(ほとんどアクロバット。でも、ホンワカして笑っちゃうんだよね)
ケイオンというポップスのクラブ(なんで、演奏中に観客見ないでノレるのかなあ?)
赤ん坊の笑顔(世界共通。でも、赤ん坊みたいな大人は、別の意味笑える)
テレビのコメンテーター(言ってることが、わたしが聞いても小学生レベル)
地球温暖化を信じてる人が多い(アメリカ人は「どうでもいい」と思ってる。大きな声じゃ言えないけど)
アメリカが日本を守ってくれると思ってる(自分の国をヤバクしてまで、外国のこと守ると思う?)
コメディアン志望多すぎ(みんな笑わす側のコメディアンになったら、だれが笑うの?)
核とロケット技術あるのに、なんで核兵器持たないのか(一発で、日本のポテンシャル上がるのに)
パチンコへのハンパじゃない熱中(あの小さな箱、ほとんどエンタテイメント!)
学校の面接練習(プレゼンテーション能力ない先生に教えてもらってもねえ)
わたしの無責任な感想にうなづく人(しょせんは、わたしの思いつきだからね)
日本で、笑えないもの(アリスの日記より抜粋)
コメディアンのギャグ(日本語にだいぶ慣れてきたけど、やっぱ笑えない。千代子の婆ちゃんも笑わない)
コメディアンみたいな政治家(最初はギャグで真似してんのかと思ったら、本物の政治家だった)
いくら勉強できても、飛び級させない(これって、若者のモチベーション下げてると思う)
日本の地震(一度、震度3を経験。地球最後の日かと思った。わたしのリアクションにみんな笑った)
イジメの認識(bullyingとviolenceは、全然違う。アメリカのイジメもたいがいだけど)
授業で、反対意見ってか、質問できない(社会科でちょっと質問したら、怖い顔で黙殺された)
世界最高齢のオジイチャンがミイラだった(親の年金が欲しいためだとか)
アイドルの子が坊主頭になった(なんかルール違反らしいけど、最初はテロで拉致されたのかと思った)
証明写真撮るとき(なんで、証明写真に自分のブスっとした顔? あ、ブスじゃないから。念のため)
わたしの英語のギャグが通じない(シカゴじゃ、3歳の子でも笑う。6年も英語習ってんのになんで!?)
千代子ママの高校時代の体育祭の写真(スカート穿くの忘れてんのかと思った。ブルマというらしい)
わたしの日記を公表するやつ(作者だからって、なんでもありは無し。登場人物のプライバシーを守れ!)
コメディアンみたいな政治家(最初はギャグで真似してんのかと思ったら、本物の政治家だった)
いくら勉強できても、飛び級させない(これって、若者のモチベーション下げてると思う)
日本の地震(一度、震度3を経験。地球最後の日かと思った。わたしのリアクションにみんな笑った)
イジメの認識(bullyingとviolenceは、全然違う。アメリカのイジメもたいがいだけど)
授業で、反対意見ってか、質問できない(社会科でちょっと質問したら、怖い顔で黙殺された)
世界最高齢のオジイチャンがミイラだった(親の年金が欲しいためだとか)
アイドルの子が坊主頭になった(なんかルール違反らしいけど、最初はテロで拉致されたのかと思った)
証明写真撮るとき(なんで、証明写真に自分のブスっとした顔? あ、ブスじゃないから。念のため)
わたしの英語のギャグが通じない(シカゴじゃ、3歳の子でも笑う。6年も英語習ってんのになんで!?)
千代子ママの高校時代の体育祭の写真(スカート穿くの忘れてんのかと思った。ブルマというらしい)
わたしの日記を公表するやつ(作者だからって、なんでもありは無し。登場人物のプライバシーを守れ!)
ハーーーーーーーー
「元気ないやんか、どないしたん?」
「どないもせえへん……」
学校に着くまでに、千代子はもう十回以上ため息をついている。
「そんな顔されてたら、うちまで切のうなるわ」
「ごめん、アリス」
「どないもせえへん……」
学校に着くまでに、千代子はもう十回以上ため息をついている。
「そんな顔されてたら、うちまで切のうなるわ」
「ごめん、アリス」
あまりにも心配してくれるアリスに、千代子も黙っているのは悪い気がして、教室に着くと、サッとメモをして見せてくれた。
「読んだら、すぐに破って……」
そう言うと、千代子は机に突っ伏してしまった。
「読んだら、すぐに破って……」
そう言うと、千代子は机に突っ伏してしまった。
――バレンタイン、ちよこのわたしかた――
メモには、そう書いてあった。
最初のバレンタインが、わたしのファミリーネームでないことは分かった。でも、その後が問題だ。
千代子の渡し方というのは、ただ事ではない。アリスは自分の手をシュレッダーにしながら考えた。日本には卒業式の後のプロム(パーティーみたいな)がない。アメリカじゃ、プロムを大事にしているところがかなりある。いわば大人への第一歩で、アルコールもありだし、なんとなくのボーイフレンドが正式な恋人になるチャンスでもあり……つまり、身も心もくっつくということ。
バレンタインデーは、シカゴではお気楽な遊びみたいなもの。でも、日本では意味が大きい。本命とか義理とかの区別もあるらしい。
そこまで、考えて、アリスは千代子の気持ちを大きく、重く考えた。
――バレンタインで、千代子は愛する彼に、女の子の大事な○○を捧げようとしてるんだ。
バレンタインまで、あと一週間あまり。
親友として、アリスは千代子の力になろうと決心した。
最初のバレンタインが、わたしのファミリーネームでないことは分かった。でも、その後が問題だ。
千代子の渡し方というのは、ただ事ではない。アリスは自分の手をシュレッダーにしながら考えた。日本には卒業式の後のプロム(パーティーみたいな)がない。アメリカじゃ、プロムを大事にしているところがかなりある。いわば大人への第一歩で、アルコールもありだし、なんとなくのボーイフレンドが正式な恋人になるチャンスでもあり……つまり、身も心もくっつくということ。
バレンタインデーは、シカゴではお気楽な遊びみたいなもの。でも、日本では意味が大きい。本命とか義理とかの区別もあるらしい。
そこまで、考えて、アリスは千代子の気持ちを大きく、重く考えた。
――バレンタインで、千代子は愛する彼に、女の子の大事な○○を捧げようとしてるんだ。
バレンタインまで、あと一週間あまり。
親友として、アリスは千代子の力になろうと決心した。
窓の外は、早春の曇り空が広がっていた……。