さきほど、出張先の名古屋から帰ってきました。
雨の影響もあるのでしょうが、涼しいというよりも、もうこれは十分寒いという印象ですね。
風邪ひきそう・・・
さて、昨日コレルリのソナタのことを書きましたが、今日はその続きを少しだけ。
コレルリのソナタ作品5-10のガボットを主題として、クライスラーは短い変奏曲を書いています。
3~4分の小品ですが、主題はできるだけ原曲を尊重しながら、そして変奏では明るく華やかな雰囲気がいかにもクライスラーらしい。
このボベスコの演奏は、華麗さはありませんが、独特の甘美な語り口がとても魅力的です。
さて、ボベスコの演奏を聴きながら、私は中学から高校に入った頃のことを思い出しました。
当時、NHKの「バイオリンのおけいこ」という30分番組があって、その後N響の名コンサートマスターとして活躍された徳永二男さんが講師をされていました。
そのときのテーマ音楽が、まさにこのコレルリの作品だったのです。
コレルリの原曲だったのかクライスラーのバリエーションだったかはよくわからないのですが、長髪の徳永さんの若々しい姿とともにその演奏は鮮烈に覚えています。
それにしても、当時の「○○のおけいこ」的な番組は、ピアノ、バイオリン、フルート、ギターの各楽器があったと記憶していますが、いずれも内容が本当に素晴らしかった。
なかでも、バイオリンの石井志都子さんや江藤俊哉さん、ピアノの井内澄子さん、ギターの渡辺範彦さん、そしてフルートではなんといっても吉田雅夫さんのレッスンが、とりわけ印象に残っています。
ビデオもまだ普及していない時代でしたから、文字通り「一言も聞き逃すまい」と、毎回テレビの画面にかじりつくように見ていました。
「フレージング」「「アーティキュレーション」「アッポジャトューラ」「アウフタクト」といった聞き慣れない音楽用語、呼吸の仕方、テンポの考え方、リズムの活かし方、脱力の方法、そして大きく美しい音で演奏する秘訣等、楽器を超えて勉強になることばかり。
私にとって、「音楽とは?」「演奏することとは?」ということを必死で考えさせてくれる原点だったような気がします。
現在のように、「情報が氾濫する時代」が本当に幸福なんだろうかと、ふと考えさせられました。
<曲目>
1 愛の喜び
2 愛の悲しみ
3 美しきロスマリン
4 中国の太鼓
5 ウィーン奇想曲
6 ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
7 ボッケリーニのスタイルによるアレグレット
8 クープランのスタイルによるルイ13世の歌とパヴァーヌ
9 昔の歌
10 ウィーン風小行進曲
11 ロマンティックな子守歌
12 シンコペーション
13 レシタティーヴォとスケルツォ・カプリース
14 おもちゃの兵隊の行進曲
15 プニャーニのスタイルによるプレリュードとアレグロ
16 コレルリの主題による変奏曲
17 ルクレールのスタイルによるタンブーラン
18 ジプシーの女
19 オーカッサンとニコレット
20 道化役者のセレナード
<演奏>
■ローラ・ボベスコ(ヴァイオリン)
■ウィルヘルム・ヘルヴェック(ピアノ)
<録音>
1984年~1985年
雨の影響もあるのでしょうが、涼しいというよりも、もうこれは十分寒いという印象ですね。
風邪ひきそう・・・
さて、昨日コレルリのソナタのことを書きましたが、今日はその続きを少しだけ。
コレルリのソナタ作品5-10のガボットを主題として、クライスラーは短い変奏曲を書いています。
3~4分の小品ですが、主題はできるだけ原曲を尊重しながら、そして変奏では明るく華やかな雰囲気がいかにもクライスラーらしい。
このボベスコの演奏は、華麗さはありませんが、独特の甘美な語り口がとても魅力的です。
さて、ボベスコの演奏を聴きながら、私は中学から高校に入った頃のことを思い出しました。
当時、NHKの「バイオリンのおけいこ」という30分番組があって、その後N響の名コンサートマスターとして活躍された徳永二男さんが講師をされていました。
そのときのテーマ音楽が、まさにこのコレルリの作品だったのです。
コレルリの原曲だったのかクライスラーのバリエーションだったかはよくわからないのですが、長髪の徳永さんの若々しい姿とともにその演奏は鮮烈に覚えています。
それにしても、当時の「○○のおけいこ」的な番組は、ピアノ、バイオリン、フルート、ギターの各楽器があったと記憶していますが、いずれも内容が本当に素晴らしかった。
なかでも、バイオリンの石井志都子さんや江藤俊哉さん、ピアノの井内澄子さん、ギターの渡辺範彦さん、そしてフルートではなんといっても吉田雅夫さんのレッスンが、とりわけ印象に残っています。
ビデオもまだ普及していない時代でしたから、文字通り「一言も聞き逃すまい」と、毎回テレビの画面にかじりつくように見ていました。
「フレージング」「「アーティキュレーション」「アッポジャトューラ」「アウフタクト」といった聞き慣れない音楽用語、呼吸の仕方、テンポの考え方、リズムの活かし方、脱力の方法、そして大きく美しい音で演奏する秘訣等、楽器を超えて勉強になることばかり。
私にとって、「音楽とは?」「演奏することとは?」ということを必死で考えさせてくれる原点だったような気がします。
現在のように、「情報が氾濫する時代」が本当に幸福なんだろうかと、ふと考えさせられました。
<曲目>
1 愛の喜び
2 愛の悲しみ
3 美しきロスマリン
4 中国の太鼓
5 ウィーン奇想曲
6 ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
7 ボッケリーニのスタイルによるアレグレット
8 クープランのスタイルによるルイ13世の歌とパヴァーヌ
9 昔の歌
10 ウィーン風小行進曲
11 ロマンティックな子守歌
12 シンコペーション
13 レシタティーヴォとスケルツォ・カプリース
14 おもちゃの兵隊の行進曲
15 プニャーニのスタイルによるプレリュードとアレグロ
16 コレルリの主題による変奏曲
17 ルクレールのスタイルによるタンブーラン
18 ジプシーの女
19 オーカッサンとニコレット
20 道化役者のセレナード
<演奏>
■ローラ・ボベスコ(ヴァイオリン)
■ウィルヘルム・ヘルヴェック(ピアノ)
<録音>
1984年~1985年
同じ時代に学生時代を送った者として、とても嬉しくコメント読ませていただきました。
限られた情報の中で、やはりNHKの音楽番組は貴重でしたね。
講師の方の名前を拝見していて、「あー、あの人も、あの人も・・・」と頷いております。
>ステレオ装置がありませんでしたので、FMラジオ、テレビの音楽放送は私のとても貴重な音源でした。
まったく同感です。でも、このとき貧しい音で聴いた音楽は、今でもはっきり思い出せますし、私の中でも大切な宝物になっています。
ローラ・ボベスコ!貴婦人のような方ですよね、演奏もエレガント。
>NHKの「バイオリンのおけいこ」という30分番組
ヴァイオリニストの天満敦子さんも中学生の時、その番組に出演して江藤俊哉さんから指導を受けたというお話しから、そんな番組あったんだーっと知りました。
一度でよいから観たかったですね。
まさに仰る通り「芸術の秋」到来ですね。
ローラ・ボベスコは、私の好きなヴァイオリニストの一人で、最後までその演奏スタイルを変えなかったところに惹かれます。
>天満敦子さんも中学生の時、その番組に出演して江藤俊哉さんから指導を受けた・・・
そうでしたか。気づきませんでした。
吉田雅夫さんのフルート教室には、神崎敦子さん(現:女優の神崎愛さん)が芸大時代に生徒で出演されていましたが、他にも「えっ」いうビッグネームが生徒さん役で出てるのでしょうね。
今思い返しても、番組の質は素晴らしく高かったと思います。
断片的でもいいから、私も是非再放送を見たいと熱望している一人です。
『バイオリンのおけいこ』ご存知の方がいらっしゃるのに感激いたしまして・・・
実は私、その番組に出ておりました
もちろん生徒役で(笑)
江藤俊哉講師のオーディションは落ちたのですが翌年の磯恒男講師に受かってしまいまして
結局そのまま門下生になってしまい今にいたるのですが・・・ついつい懐かしくてコメントさせていただきました。
ようこそ、おいでくださいました。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
チャミさまは、磯先生のレッスンに出演されていたのですか・・・。
磯先生のお人柄がにじみでてくるような温かいレッスンだったと記憶しています。
>結局そのまま門下生になってしまい今にいたるのですが・・・
何かわかるような気がします。
でも、いい先生のもとでバイオリンが弾けて、何だか羨ましいなぁ。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
嬉しいコメントありがとうございました。