イェルク・デムスのフランク、初めて聴きました。
いやー、素晴らしかった。4回も続けて聴いてしまいました。
デムスというと、私の場合、どうしても室内楽の名演奏が思い浮かんでしまいます。なかでも、シューマンのピアノ四重奏曲やピアノ五重奏曲は、永遠の名盤でしょう。コレギウムアウレウム合奏団と組んだモーツァルトのコンチェルト(ピアノではなく、ハンマークリューゲルで演奏)なんかも好きでした。
でも、彼のソロはほとんど聴いたことがありませんでした。
そんなときに、あるCDショップの特売品として置かれた中に、デムスの自主制作盤と題された何組かのディスクを見つけました。
試しに購入した2組のディスクのうちの1枚が、このディスクです。
<曲目>
フランク作曲
■前奏曲、フーガと変奏曲
■前奏曲、コラールとフーガ
■18曲の小前奏曲集
■前奏曲、アリアと終曲
<演奏>イェルク・デムス
<録音>2004年、1993年
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/b1/971e4814893a656bc7ed0ae6f2ccdc5a.jpg)
私が、フランクの作品、とくに「プレリュード フーガと変奏曲」が大好きだということは以前書きましたが、このディスクには、比較的規模の大きな(有名な)3曲と18曲の小品が収録されています。
また、この録音の大きな特長は、それぞれの曲が異なる歴史的ピアノで演奏されていることです。
最初聴いた時は、普段モダン楽器を聴きなれているせいか、少しこもったような印象を受けましたが、聴き進むにつれて、徐々にその暖かい音色に惹かれるようになりました。
オルガンという楽器をこよなく愛したフランクの音楽を再現するには、音量も大きく華麗な音色を持つ現代のピアノよりも、むしろこちらのほうがふさわしいように感じます。
とくに今回は「前奏曲、コラールとフーガ」が良かった。
ひとことで言うと、自分に語りかけるような演奏。
「自分に問いかけ、一瞬眼を閉じて考え、そしてじっくり回答を出す」そんな印象です。
人にいい格好を見せようなんて、まったく考えていません。
その「一瞬眼を閉じて考えている」箇所が、いわゆる「間」になるわけですが、私は完全にデムスの呼吸に共感できました。
コラールの高貴なまでの美しさは、たとえようもありません。
この曲の魅力をあらためて気づかせてくれました。
唯一残念だったのは、小前奏曲集で使用したピアノの調律がほんの少し狂っているように感じたことです。
たとえば、トラック番号でいうと12曲目のニ長調の前奏曲、とても質素な魅力をたたえた佳曲なんですが、オクターブで音の濁りが感じられるのです。
でも全体的にみれば、些細なこと。
とても素敵なアルバムでした。
P.S
このディスクは、長い間絶版だったのですが、今回新たにリリースされたようです。
また、ジャケット・解説書がとても充実していて、とても美しいです。
ご紹介した写真は、「前奏曲、フーガと変奏曲」を演奏した、エラール社1899年製作のものです。
いやー、素晴らしかった。4回も続けて聴いてしまいました。
デムスというと、私の場合、どうしても室内楽の名演奏が思い浮かんでしまいます。なかでも、シューマンのピアノ四重奏曲やピアノ五重奏曲は、永遠の名盤でしょう。コレギウムアウレウム合奏団と組んだモーツァルトのコンチェルト(ピアノではなく、ハンマークリューゲルで演奏)なんかも好きでした。
でも、彼のソロはほとんど聴いたことがありませんでした。
そんなときに、あるCDショップの特売品として置かれた中に、デムスの自主制作盤と題された何組かのディスクを見つけました。
試しに購入した2組のディスクのうちの1枚が、このディスクです。
<曲目>
フランク作曲
■前奏曲、フーガと変奏曲
■前奏曲、コラールとフーガ
■18曲の小前奏曲集
■前奏曲、アリアと終曲
<演奏>イェルク・デムス
<録音>2004年、1993年
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/b1/971e4814893a656bc7ed0ae6f2ccdc5a.jpg)
私が、フランクの作品、とくに「プレリュード フーガと変奏曲」が大好きだということは以前書きましたが、このディスクには、比較的規模の大きな(有名な)3曲と18曲の小品が収録されています。
また、この録音の大きな特長は、それぞれの曲が異なる歴史的ピアノで演奏されていることです。
最初聴いた時は、普段モダン楽器を聴きなれているせいか、少しこもったような印象を受けましたが、聴き進むにつれて、徐々にその暖かい音色に惹かれるようになりました。
オルガンという楽器をこよなく愛したフランクの音楽を再現するには、音量も大きく華麗な音色を持つ現代のピアノよりも、むしろこちらのほうがふさわしいように感じます。
とくに今回は「前奏曲、コラールとフーガ」が良かった。
ひとことで言うと、自分に語りかけるような演奏。
「自分に問いかけ、一瞬眼を閉じて考え、そしてじっくり回答を出す」そんな印象です。
人にいい格好を見せようなんて、まったく考えていません。
その「一瞬眼を閉じて考えている」箇所が、いわゆる「間」になるわけですが、私は完全にデムスの呼吸に共感できました。
コラールの高貴なまでの美しさは、たとえようもありません。
この曲の魅力をあらためて気づかせてくれました。
唯一残念だったのは、小前奏曲集で使用したピアノの調律がほんの少し狂っているように感じたことです。
たとえば、トラック番号でいうと12曲目のニ長調の前奏曲、とても質素な魅力をたたえた佳曲なんですが、オクターブで音の濁りが感じられるのです。
でも全体的にみれば、些細なこと。
とても素敵なアルバムでした。
P.S
このディスクは、長い間絶版だったのですが、今回新たにリリースされたようです。
また、ジャケット・解説書がとても充実していて、とても美しいです。
ご紹介した写真は、「前奏曲、フーガと変奏曲」を演奏した、エラール社1899年製作のものです。
詳しい話しは忘れましたが。
このディスクほしいですねぇ。
大阪でも手に入るのか、さっそく明日タワレコ(日本法人)デス。
いつもありがとうございます。
>マスターの師匠筋に当たるはずですよ
ほんとですか?また次にアインザッツに行って時にじっくり聴かなければ・・。
>さっそく明日タワレコ(日本法人)デス。
本家のタワレコ、ついに倒産なんですね。
驚きました。ネット販売等の問題もあるのでしょうが、うまく共存して欲しいものです。
いつもありがとうございます。
実演をお聴きになられたのですね。
>後期はどうしても大家に目と耳が行きがちですが、別世界のピアニストがいることを発見した次第です。
とてもよく分かるような気がします。
独特の色彩感覚(決してカラフルという意味ではありません)を持ったピアニストだと思いました。
自分に語りかけるような表情をもったピアノ、こんな味のあるピアノは、あまり聴いたことがなかったので、しばらく追っかけたいと思います。
今回、彼の一連のディスクを少しまとめて購入しましたので、じっくり聴いていきます。
また感想も書きますね。