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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

夏目漱石、小林秀雄、そして五代目古今亭志ん生

2014-08-28 16:27:04 | 日記
 「朝日」が、夏目漱石の「こころ」連載100年を記念して、その復刻を連載しているが、その横に、漱石をめぐるエピソードが囲み記事で載っている。
 8月27日のそれは、彼の話しぶりについてだったが、当時、「朝日」の大阪勤務だった長谷川如是閑が大阪へ来た漱石と対面した折の証言が紹介されていた。それによると、如是閑自身が東京生まれの東京育ちのくせに、漱石の話し振りを、まるで高座の落語を聞いているような東京弁だったと記している。
 ちなみに二人の年齢差は8歳で漱石が上だが、やはり維新以来の言葉の変化を反映しているのだろうか。

          

 これを読んで、ハタと思い出したことがある。それは小林秀雄の講演をYou Tubeで聞いた折、その声も語り口も、そしてその間合いも五代目・古今亭志ん生とそっくりだと思ったことだ。

 下に添付しておくが、志ん生の生前をご存じの方はとても懐かしいのではなかろうか。念の為に、志ん生の声もYou Tubeで確認してみたがやはり似ている。
 この下のものが志ん生だが、この「千両みかん」というのは元々は上方落語で、最後にちょっとしんみりした悲哀が残っていい話だ。

   https://www.youtube.com/watch?v=aEWmHb6Rp-w
   https://www.youtube.com/watch?v=5DBR10jJGyo

           

 ついでに余勢をかって、漱石そのものの声がないだろうかとやはりYou Tubeで検索してみたら、それがあったのだ!
 それは夏目漱石が五高開講記念日に教員代表として読んだ教員代表祝辞で、熊本市坪井町の漱石旧­居で公開されている音声だという。
 早速、聴いてみた。
    
   https://www.youtube.com/watch?v=UCmQJ_1ysrA

          

 内容は紋切り型だが、その声はしっかりしていて、よくこんな明瞭な録音が残っているなぁ、その頃の録音手法といったらレコード盤だろうけど、それにしてはすごいなぁと感心することしきりだった。
 しかし、その下のコメントを読んでがっかりした。
 
 「これは夏目漱石の肉声ではなく、日本音響研究所が、人間の声が指紋同様それぞれ異なっ­た紋様を持つという原理を応用、漱石の肖像画や写真から口腔の容積、構造などを割り出­して紋様を合成したものです。」だって・・・。


コメント (4)
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