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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

今年最初の川柳もどき さぐらならおらほがええといったひと

2011-01-03 02:28:36 | 川柳日記
 今年最初の「川柳もどき」ですが、すべて昨年の後半の作からの自選です。
 かつて知人に見せたところ、「こんなものは川柳ではない」といわれました。
 もちろん俳句でもありません。
 「川柳もどき」と自称する所以です。

       

ガラス
  透明であってガラスの深い罪
  ひび割れも自己責任のガラス拭く

減る
  流ちょうに笑い私が減ってゆく
  減るものをひたすらに打つキーボ-ド

       


  米洗う手になっている月曜日
  憎しみを少し交えて米を研ぐ

撮す
  斜めから撮せば遠くなるあなた
  モノクロの写真に過去の色がある

       


  昭和には昭和の掟 いわし雲
  うろこ雲剥ぎ天空の底を見る

掘る
  掘り出した嘘のかけらを磨いてる
  あの辺り掘って革命埋めたはず

       


  北方(きたがた)は正直な町北にある
  さぐらならおらほがええといったひと


  偉大なる尻ひっさげて象歩む
  哀しみをどすんと沈め象座る

       

広場
  広場に背向けて広場へ流される
  正論を広場に埋めて生き延びる
  広場へと追い立てられる鬼ごっこ
  広場から逃げ出してきたひとといる
   
雑詠
  完熟のトマトの歴史重すぎる
  甘言に騙されたふり梨を剥く
  指先にさざめく粒子 塩つまむ
  夕立を連れてあなたに逢いにゆく
  すすき刈る 無念無想の地が開く
  チマチマとした悪まとめ持ち歩く
  越えて行くひとみな肩を尖らせて
  そのむかし光る出口をもっていた
 

コメント (2)
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