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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「鹿の子蛾」との交流録と新たな訪問者

2010-09-06 11:56:15 | よしなしごと
 前回、人なつこい小さな虫について触れたところ、ネット上の友人から、即座にそれが「カノコガ」という虫であるとのご指摘をいただきました。ネットの図鑑などで照合した結果、まさにその通りで、それを契機に蝶と蛾の違いなどについても少し勉強したりしました。
 
 さて、その後日談ですが、この鹿の子蛾たち、私が紹介してやったのが嬉しかったのか、やたら私の前に姿を現すのです。
 前にも述べましたが、私が植木に水をやるときなどに目撃するのですが、なんと、その水やりのホースに止まって私を待ち伏せたりするのです。
 ですから、オイオイ、お前がそこにいると水が撒けないではないかと、静かに移動を促さねばなりません。

     

        

 そのほかアルミサッシの桟に止まっていたりもします。
 こんなに身近なところで出会い続けると、なんか可愛いさが増す気がします。

 そんな具合で、すっかり昆虫づいたのか、珍しい蝶の訪問を受けました。
 大きさはアゲハぐらいです。
 
 写真でごらんいただくとおわかりのように、見たとこいくぶん地味ですが、翅の内側は赤みがかった橙色で、飛び立つととても華やかです。しかし、蝶の習性で、止まっているときには翅を開きませんので(開いても瞬間ですので)、それを撮すことはできませんでした。
 でも、翅のうち側の赤さが写真でも少し分かるとおもいます。
 全体に開くと、それほど赤くはありません。先ほど述べたように橙色が近いと思います。

     
      写真は逆さではありません。蝶が逆さに止まっているのです。

 さて、この蝶の名前が分からないのでまたまたネットで質問したところ、沖縄の女性から回答をいただきました。
 その名は、「ツマグロヒョウモン」(褄黒豹紋)。ネット上の図鑑などで照合したところ、間違いありませんません。
 この蝶、時折見かけるのですが、その歴史的経由についての記述を見ると考えさせられるものがあります。
 Wikの説明には以下のようにあるのです。

 「本州では1980年代まで近畿地方以西でしか見られなかったが、徐々に生息域が北上し1990年代以降には東海地方から関東地方南部、富山県・新潟県の平野部で観察されるようになった。2002年には北関東でも目撃報告がある。2006年現在、北関東でもほぼ定着し、普通種になりつつある。」

 つまり、どんどん北上しつつあるのです。その趨勢はよく報告されているクマゼミのそれと似ているようです。
 やはり、温暖化といわれるものの影響でしょうか。
 この蝶の名前を教えてくれたのが沖縄の人だというのも象徴的です。
 
 しなければならないことが山積していて、いちいち虫などに関わり合ってはいられないのですが、「一文字せせり」にしろ「鹿の子蛾」にしろ、そしてこの「褄黒豹紋」という蝶にしろ、せっかく訪れてくれるものたちを放置できないのです。
 いい歳して、なにやってんだかなぁとも思いますが、餓鬼の頃、昆虫少年ではなかったツケを今払わされている感じです。

 


コメント
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