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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

【素朴な疑問】ツクツクボウシのリハーサル

2010-08-22 15:05:04 | よしなしごと
 甲子園の決勝が終わると秋が来るという人がいます。
 終わりました。
 でもまだ暑いですね。
 この時期、「まだ暑い派」と「やはり秋の気配派」に別れるようです。

    

 狭い庭に、ツクツクボウシがやってきました。昨日のことです。
 ご承知のように夏の終わりを飾る蝉です。

 昼頃にそれらしいがちょっと違うような鳴き声がしました。
 ん?と思って耳を傾けていると確かにツクツクボウシです。
 しかし、「ツクツクボ~シ ツクツクボ~シ」というあの旋律をまだうまく鳴けないのです。
 鶯の初音というのも、最初から「ホ~ホケキョ」とうまくは鳴けず、次第に様になって行くようですね。
 
 ツクツクボウシにもそれがあることをはじめて知りました。
 なんか寸詰まりのような鳴き方だったのが、三時間ほどしたら上手に鳴けるようになりました。
 もうどこへ出しても恥ずかしくない立派なツクツクボウシです。

    

 で、ちょっと疑問が湧いてきました。
 どうやってうまく鳴けるようになるんでしょう。
 マニュアルも音符もなく、回りに参考にすべき別の個体もいない中で、どうしてうまくなるのでしょう。

 蝉はむろん、どの昆虫もその固有の鳴き声は遺伝子に書き込まれたものでしょう。
 しかし、次第にうまくなるというのはどういうことでしょう。
 鳴いてみて、あ、ここんとこダメだなと反省しながら次第に仕上げて行く様子をイメージしましたが、そんなことはありませんよね。反省の元になる教則がないのですから。
 まあ、そのうまくなる過程そのものが遺伝子に書き込まれているということでしょうか。
 (この「遺伝子に書き込まれている」という言葉、便利なのですが、こんなに濫用してもいいのでしょうか・・・とすこし反省)

    
       近くの田の稲もこんなに青々としてきました

        <photo src="v2:551045646:l">
        これが六月一〇日、田植え直後の同じ場所です

 鶯の場合には鳴き声に個体差があって、飼い主が自慢し合うという優雅な遊びがあるようですね。
 声が良くなるよう幼鳥の頃からの飼い方からその餌の配合や添加物にノウハウがあるという話も聞きました。
 そして鳴き合わせという競技会まであるそうなのです。
 がしかし、現在は鳥獣保護法によって捕獲や飼育が禁じられているのだそうです。
 でも、どっかでやっていそうな気もしますね。

 ところで、ツクツクボウシの鳴き声にも個体差があるのでしょうか。
 うちのツクツクボウシは一応うまく鳴けるようになりましたが、子供の頃、田舎で聞いたそれに比べると気のせいか、やや気弱で逞しさが足りないような気がするのです。
 うちのツクツクボウシにそれを指摘してやって、「おまえなあ、もっとこう腹の底から声を出すんだぜ」と教えてやったらもっとダイナミックに鳴けるようになるでしょうか。

    

 なんて思っていたら今日は来ません。
 鳥にでも喰われてしまったのでしょうか。
 それともこんな狭いところで鳴いていても相手に恵まれないことを悟って、近くの鎮守の森まで飛んでいったのでしょうか。

 そう思うことにしました。
 彼は、昨日よりさらにうまく鳴いて、あの森にいる雌たちに盛んにアピールしているのではないでしょうか。
 他の雄たちに負けんなよ。

   

コメント (2)
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