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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

せせらぎ街道 命の洗濯旅

2009-10-28 03:49:33 | 写真とおしゃべり
 先般の日曜日(10/25)、前日の曇りと翌日の雨との狭間を縫って、晴れ間の見えた飛騨せせらぎ街道を目指しました。
 この街道は、郡上八幡から明宝や清見を抜けて高山へ至る約70キロの道のりで、途中の西ウレ峠は標高約1,100メートルあります。
 そしてこの峠は、太平洋側と日本海側の分水嶺で、日本海側へは、川上川、宮川、神通川を経由して富山湾に注ぎます。また、太平洋側へは馬瀬川、吉田川、長良川を経由して伊勢湾に注ぎます。
 いささか汚い比喩でいえば、この峠で「立ち小○」をすると、半分は日本海へ、そして半分は太平洋へと至るわけです。どうですか、たかが、「立ち小○」されど「立ち小○」で、なかなか壮大ではありませんか。

    

 で、なぜここへ行ったかといいますと、この辺は紅葉の見所なのです。
 岐阜を発つときには紅葉にはまだ少し早いのではとも思いました。なぜなら、岐阜の市街地では、まだモミジは緑のままですし、公孫樹がやっと葉の周辺が黄色くなり始めたものもあるというぐらいだったからです。

 
              
 しかし、せせらぎ街道を進むにつれて景観は一変しました。まさに紅葉真っ盛りなのです。
 それもそのはず、岐阜の早朝で十数度あった気温が、午前九時ぐらいで峠付近では五度しかないのです。下着にシャツ、ベストに薄手のジャンパーといういでたちの私は、車から出た途端、震え上がってしまいました。写真の何枚かがぶれているのはそのせいです(と自分の未熟を誤魔化す)。

 

 やがて徐々に暖かくなってくるのですが、この昼夜の寒暖差が紅葉を促すとかで、期待以上の美しさでした。モミジなどは、峠の付近では紅葉が終わってもう枯れ始めています。おかげで、くっきりとした紅葉の葉を撮ることは出来ませんでした(と、また誤魔化す)。

 

 この、せせらぎ街道、昔から(四〇年以上前から)よく通っているのです。でも、こんなきれいな紅葉は初めてです。理由は単純です。かつてこの峠を往来した頃は、アマゴや岩魚を求めての渓流釣りのためでした。そしてこれらの渓流魚は、だいたいにおいて九月いっぱいで禁漁になるのです。だからそれ以降というか、この時期にはこちらへ来たことはなかったのです。

 
                 「 ハイ、チーズ」

 紅葉と同時にきれいな渓流にもまみえることが出来ました。今でも岩魚のいそうなポイントは分かります。あの瀬尻に一匹、あの淵には二匹ぐらいいるかな、などと想像します。
 しかしそれももう何十年前のこと。その後の乱獲が祟って、今では車を降りてすっと竿を出せるようなところには、もはや魚影はありません。

    
          この道をどこまでも辿ってみたいような・・・

 昼近くになると、車も人の群も多くなりました。
 やはり人々はこの界隈の景観をよく知っているのでしょう。
 空気も、景色もおいしくて、おまけに野鳥のさえずりがBGMときて、すっかり命の洗濯をしてまいりました。
 



コメント (3)
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