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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

黄色のディベルティメント(喜遊曲)

2008-12-07 02:47:33 | フォトエッセイ
 黄色のディベルティメント(喜遊曲)

    

 紅葉は秋のものだと決めてかかっていたが、そうばかりでもないようだ。
 例えば公孫樹(イチョウ)などは、むしろ初冬の散り始めが美しい。
 樹木全体が真っ黄色に彩られるのも見ものだが、その辺りに散った様がまたあでやかだ。

    
               岐阜市近郊にて
 
 ほとんどの紅葉は散ってしまうと葉の色も変わり枯れ葉っぽくなってしまうのだが、公孫樹に関しては散ってもしばらくはその色も形状も維持し続ける。それだけ葉も肉厚でしっかりしているからだ。
 したがって、その樹木共々、辺りの落ち葉の風情がかなりの期間、楽しめることとなる。

 
              名古屋白川公園にて
 
 ただし、この落ち葉の始末がなかなか大変なのはいうまでもない。
 とりわけ公孫樹に関しては、その落ち葉がなおもしっかりしていることから来る意外な欠点もあるようだ。

    
        どこまで続く黄色い絨毯 名古屋栄公園にて
 
 かつて我が家にも銀杏から育てた公孫樹の木があり、やっと紅葉が少し観られるほどに育ち楽しみにしていたら、となりの田圃の持ち主からクレームがあった。
 曰く、他の葉と違って公孫樹は朽ちにくいため、田圃に鋤き込めずじゃまになるとのことだ。
 むろん米作りを妨害するつもりはいささかもないので、残念ながら伐採に及んだ。

    
             同公園付近の黄昏時

 その田圃が、休耕田としてずーっと休眠し続けることになったのはそれからしばらくしてからである。
 ちょっと皮肉な結果になってしまったが、伐採した公孫樹の脇に生えていたものを植木鉢に移して盆栽風に残せたのはせめてもの慰めであった。
 







コメント
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