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今日はなにいろ?

「ライラの冒険」のその後は?

2008-04-16 13:51:46 | 読書感想文
ライラの冒険シリーズ、読み終えた直後にまた読み直した。
2度読んでも面白い。いや、2回目の方が味わい深く楽しめる。
それにしても、こんなにアンハッピーな終わり方、ファンタジーなのにあり得ない。
多くの人が死に、若い二人の愛ははかなく散り…。
同じ日の同じ時に世界は違ってもその場所で一緒に時を過ごしましょうと言うあのシーンは切なくて何度読んでも胸が痛くなる。

それにしても、生き残った数人のその後がとても気になる。
ライラ。
彼女はまだいいだろう。
彼女がした偉大なことは多くの人に知られている。ヒロインだ。
勉強する場所も決まったし。

一方のウィル。
彼は世界に戻ってもヒーローじゃない。
それどころか、殺人者だ。指名手配もされているんだろう。
冒険して得るどころか失うものばかりだ。
指も失ったし(それも2本も!)
父親も失った。
残してきた母親の病気はきっと良くならないだろう。
唯一の理解者で保護者になるだろうメアリー。
彼女の立場も危うい。
職場のパソコンを破壊している。
犯罪者にはならないかもしれないけど、復職は出来ないだろう。

で、こんな「未来」を考えてみた。
メアリー。
彼女は中国の易経を使った占い者になる。
ライラから自由に心を解き放つ方法を教えて貰った彼女は、今やそれを自由に使いこなし、未来を予測できるようになっていた。
彼女はある政治家の暗殺を予想し、的中したことで一躍有名になる。

ウィル。
彼はメアリーの助けを借りて、母親とひっそりと暮らしていた。
勉強はメアリーから教えて貰っていた。
彼は秘かにある物語を書きつづっていた。
それは「ライラの冒険」シリーズ。
それは世界的ベストセラーとなり…。

と、こんな勝手な想像をして喜んでいるのだけれど。

実際には、この本の著者フィリップ・プルマンは2003年に「ライラのオックスフォード」という短編を著わしているそうで、それはこの3部作と次の作品の「踏み台」的な作品だそうで、もしかしたら本当の「ライラの冒険のその後」が作品になるのかも知れない。とても楽しみだ。