Color

今日はなにいろ?

ペット・セマタリー

2006-04-11 08:33:20 | 読書感想文
「ペット・セマタリー」 スティーブン・キング作

スティーブン・キングのホラー小説がなぜ面白いのかと言うと、主人公が全く普通の人間で、幸せな家庭を築いていて、恐怖や困難に関係ないと思われる彼らが、少しずつ、少しずつ、幸せが崩れていき、最後には恐怖のどん底に落とされる、その過程が面白いから、と思っている。

この小説の主人公も普通の男性だった。妻と二人の子供と、新しい家に越してきて、新しい職場に勤めて、生活も順調。隣人も親切で、幸せな家庭の代名詞、のような生活を送っていた。

しかし、彼に少しずつ恐怖の影が近づいてくるのだ。

最初は新しい勤め先で、ほぼ即死状態の男性が運ばれてくること。その死んだ男が主人公の夢枕に立つ。しかもそれは夢ではなく、どうやら現実らしい。

次に愛娘が大事にしていた猫がトラックにはねられるという事故。

死んだ猫を隣人は「ペット・セマタリー(ペットの霊園)に埋めてこよう」と言う。

隣人は「ペット・セマタリー」の更に奥に進み、主人公は言われたとおり、そこに穴を掘って猫を埋める。

うすうす、感じられたことが翌日現実になる。

猫が生き返って戻ってくるのだ。

そして、ついに決定的なことが起きる。

主人公の長男がトラックに轢かれて死ぬのだ、猫のように。

さて、主人公はどうするか。

もうこれは分かりきっていること。

そして結末にはもっとも恐ろしいことが待っている。

と言った内容。

死んだ人に生き返って欲しい。

これは永遠のテーマかもしれない。

そのテーマを逆手にとって、死んだものがよみがえる恐ろしさを描いたこの小説は、映画にもなっているとか。

この映画もこわいだろうなあ