バイオの故里から

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2-メチル酪酸エチルを生成する微生物

2005年12月16日 | 菌類 細菌
 酵母、特にディポダスカス(Dipodascus)属の酵母を用いることが好ましい。例えば、文献〔ツァイトシュリフト フュア レーベンスミッテル-ウンターズーフンク ウント-フォルシュンク(Zeitschrift fur Lebensmittel-Untersuchung und-Forschung),Vol.177,pp.336-338,1983年〕記載の酵母が挙げられる。該酵母を用いて麹汁培地などで培養を行うと、2-メチル酪酸エチルが多く生産される。また、麹汁培地や穀物原料の糖化液のように、特殊な栄養素を必要とせず、酒類の製造時において手軽にかつ普遍的に得られる培地での培養が可能である。次に、この微生物培養物を焼酎や清酒の醪に添加して蒸留又は上槽すると、本来の焼酎や清酒の香味を残しながらも青リンゴ様の新規なフルーティさが付与されてバランスのとれた香味良好な焼酎や清酒を得ることができる。
2-メチル酪酸エチルを生成する微生物の例としては、前記した酵母以外に、ゲオトリカム(Geotrichum)属、ノイロスポラ(Neurospora)属の微生物が挙げられる。これら微生物の培養液そのもの、あるいは培養液から回収した香味液は、本発明の香味改良剤として用いることが可能である。また、培養時にイソロイシンを添加することにより、2-メチル酪酸エチルを高生成させることもできる。
出典:
出願番号 : 特許出願2004-20620 出願日 : 2004年1月29日
公開番号 : 特許公開2005-210952 公開日 : 2005年8月11日
出願人 : 宝酒造株式会社 発明者 : 栗山 謙一 外2名

発明の名称 : 焼酎又は清酒の香味改良剤

【課題】 2-メチル酪酸エチルの甘く、フルーティでかつ従来にない新規な青りンゴ様の香味特徴を有する、焼酎、清酒を提供する。
【解決手段】 2-メチル酪酸エチルを有効成分とする焼酎又は清酒の香味改良剤。2-メチル酪酸エチルを有効量以上含有する製品が得られるように、前記の香味改良剤を添加してなる焼酎又は清酒。焼酎又は清酒を製造する方法において、2-メチル酪酸エチルを有効量以上含有する製品が得られるように、前記の香味改良剤を添加する工程を包含することを特徴とする焼酎又は清酒の製造方法。2-メチル酪酸エチル源としては、当該標品、又は該エステルを含有する香味料、果実類、微生物培養物等がある。


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