イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あっちゃ向いてホイ

2007-04-07 17:37:06 | テレビ番組

ノンスモーキン(@『爆笑オンエアバトル』4月6日24:10~)、反則だろう、あのさだまさし似のボケ。“あっちゃ向いてホイ”王者という設定や、胸に黒ビニテープででかでかと書いて、イヤ貼ってある“王”の文字や、「ジャンケンポン!…といっわれったら~」のヘンな歌とともにシンクロする金髪のツッコミの妙な動きや何やらじゃなく、あのボケがさだまさし、それも比較的若い頃のそれにそっくりだということが反則。いもある方向に、ある座標を超えると、愉快、痛快を通り越して心身にダメージを与えるね。久々にこの番組、録画でなく深夜出会いがしらに視聴してしまったら、一部脳味噌壊れましたよ。ノンスモーキン。もう1ネタ、オンエア見せてくんないとこの損傷修復できないぞ。

さて、明日4月8日は統一地方選挙の投票日です。当地でも2人の自治体首長と、2つの地方議会議員を改選することになっていますが、今回は、各立候補者、所属・推薦政党政治団体の「誰某候補をお願いします」より「とにかく投票に行きましょう、行きましょうったら行きましょうね、つか頼むから行ってくれ」の投票率低下食い止めキャンペーンのほうが声高なありさま。

男女の性別はもちろん、出身門地、年収納税額などに関係なく満20歳以上の日本人なら誰でも平等に1票の権利が与えられている。明治の昔から先人たちが苦労してやっと獲得した、待望の普通選挙権だったはずなのに、どうして斯くも棄権が増えてしまったんでしょう。

選挙権を満18歳まで引き下げたら、という案もありますが、いまの18歳と19歳が「早く20歳になって投票してーなクッソー」とヤキモキエネルギー鬱積させていて、権利与えられた途端はじかれたように投票所に殺到するとは思えません。投票率をこんなに長期にわたって、こんな散々のていたらくまで低落させてしまったのは、30~50代以上の“いい大人”たちの投票体温が低いからです。

戦後民主主義60有余年、要するにみんなそろそろ“自分の都合のいいようには他人は動いてくれないもんだ”ということがわかっちゃったんじゃないでしょうかね。自分たちの意見や要望を政治に反映させるために、同じ意見や要望を持つ人たちの1票を結集して、自分たちの代表を立法府に送り込むというのが間接民主主義の基本ですが、農家は農業が潤うような、自動車屋さんは自動車がよりたくさん売れるような、○○県△△地方に住む人は○○県△△地方が栄えるような法令や政策を期待して、1人の代議士をめでたく当選させたとしても、ソイツが自分たちの思う通りに働いてくれて、あーみんなで頑張ってあの人を代議士にしてやった甲斐があったな、あの人のおかげでこれだけ自分らが栄えたな、生活が好転したなという実感ははなはだ乏しい。

自分に1票を結集してくれた背後の農家たち、自動車屋さんたち、○○県△△地方住民たち…等々のためになることをしようと最初は意気揚々議事堂に乗り込んで行っても、やはり“行ったら行った先で自分に都合のいいように”しか人は動けないものです。

結局は自分および、自分の家族身内をヌクヌク潤わせたところで“打ち止め”になってしまう。

日本の代議士たちは決してフトコロの痛まない1票だけで雇われているわけではなく、国民が血税から歳費という名の高給を払って養ってやっているので、それなら給料分の仕事はしろという話ですが、「オマエなんか選んだ覚えはない」「ドコの誰があんなヤツに投票したんだ」と思うアホバカ議員にも同じように払っている計算になり、これも有権者たちの、選挙への嫌悪感をつのらせる結果になっていると思う。「“あの人をぜひ当選させたい”と思う立候補者が自分の住む選挙区に1人もいないが“アイツだけは落としてやりたい”と思うヤツは自分の選挙区にも、よその選挙区にも複数いる」という声はよく聞きます。

統一選に先駆けた先の宮崎県知事選での“そのまんま現象”はこんな有権者心理の屈折した表れだと思います。東国原英夫知事、元・そのまんま東さん、地元出身とは言え、芸能知名人として失礼ながらそんなに魅力ある、好感度高い存在だったとは思えません。景気回復から取り残され、官製談合問題にほとほと嫌気がさした地方有権者の、「1票入れたい人が誰もいないよ」というやり場のない気分を「TVでよく見るあの顔」への傾斜が掬い上げたのです。

いまの指導要領はわかりませんが、月河は中学の社会科で「地方自治は民主政治の“学校”である」と教わりました。自治体の財政はどこも苦しく、首長裁量、地方議会議決でできる施策は限られていますが、その代わり日常生活に密着したローカルな問題を、個人的な不平不満の地平から社会化できる機会でもあるはずです。

「お願いだから投票行って」キャンペーンに素直に乗ると思うとクソ面白くもないですが「世間一般の“どうせ選挙なんか”ムードに反抗してやれ」と思えば、何か、軽ーく(軽ーくかい!)投票行きたくなってきたような気もしてきました。

コメント
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