日本経済新聞の土曜版『NIKKEI プラス1』21日付けの“何でもランキング”は『夫に言われて傷ついた一言』。
1位:「君も太ったね」。…分析によれば、20代後半で結婚1年以上5年未満の妻に特に多い解答とか。
ま、このくらいで傷ついてるうちはマダマダでしょう。いろんな意味で。
2位:(体調悪いのに)「ごはんはないの?」、3位:「家にいるんだからヒマだろ」、4位:「片付けがヘタだ」、5位:(手伝って欲しいと言ったら)「仕事で疲れているんだ」。
以下「うるさい」「しつこいな」「誰のおかげで生活できているんだ」「俺の金を俺が自由に使って何が悪い」、(子供の素行悪さを)「お前に似たんじゃないのか」…などが続きます。
中には「うちの親の悪口は言うな」(15位)など、言葉よりソレを言わせる状況がすでに問題だろ、と思うようなのも。“自分の”親のことを“うちの”親とためらいなく言われる時点で、いまの奥さんて結構カッチーン来るんじゃないかな。
並べて書いて、ぜんぶ順に読み上げると、「そんなに酷いことはオレ言ってないよ」と夫諸君は思うかもしれませんが、“単品”では相当、普通に言ってますぜ。皆さん。
中で、面白いなと思ったのは「で、結論は何?」(9位)。6位7位の「うるさい」「しつこいな」と同系なのですが、コレ、要するに「もう聞くの疲れた、早く話終わらせろ」という意味ですよね。
東京学芸大教授で精神科医の田村毅さんによれば「男性は報告や結論を求めて話すが、女性は過程に重点を置くので結論はなくてもよいことが多い。それを理解せずに夫が話をさえぎると、妻は不満を感じる」。
…オマエなぁ。女が「相談に乗って」と言うときは的確な答えや賢明なる助言を求めているんじゃなくて、“ただ話を聞いてほしい”“できれば「気持ちはわかる」と共感してほしい”だけだって、結婚する前に骨身にしみてるだろうがよ。結婚するとせっかくの学習成果忘れちゃうのか。あ、それ以前に、結婚すると女と思わなくなるのか。
総じて、コレ言ったら相手がどんな気持ちになるか、ちょっと考えれば、と言うより考えなくても皮膚感覚でわかるようなフレーズを、いまだにヒョイヒョイ口にしてる夫諸君も夫諸君なら、この程度で「傷ついた」と思う奥さんたちも奥さんたちだなぁという感じ。赤の他人が起居を共にし生計まで一緒にしたら、互いに傷つけ傷つく毎日に決まっているのに。
ちなみに『夫に言われて嬉しかった一言』も小さめに下段に載っていまして、「おいしいね」「ごちそうさま」「ウチのごはんが一番おいしい」「いつもありがとう」「がんばってるね」「君と結婚してよかった」「(夫の友人や姑に対して)よくやってくれる」「えらいと思うよ」「今日は一段と可愛いね」……おいっ、この程度で嬉しかったって言うなよ!
この調査、全国の20代以上既婚女性にネットで質問し、1,030人から回答が寄せられたそうですが、最も傷ついた言葉は?に293人が「傷つけられたことはない」、最も嬉しかった言葉は?にも212人が「ほめられたことがない」と答えたとのこと。
…月河はこの記事中、ここにいちばんホッとしました。結婚生活なんてそんなもんじゃないのかな。
『わたしたちの教科書』第2話(19日22:00~)の録画を視聴。視聴者の“待たせ方”はこのドラマ、かなりじょうずだと思います。ただ、待った先に得られる答えが、中学校でのいじめの実態、リビドー持て余す思春期生徒たちの意図せぬパワーゲーム、教師たちの欺瞞と隠蔽、血のつながらぬ親子関係の心理模様及びそれらから敷衍される人間の精神的二面性…などだとしたら、お世辞にも楽しみとは言えない待ち時間です。
特に珠子(菅野美穂さん)が明日香をネグレクトし自ら施設送りにした8年前の回想シーンでは、小学生明日香に扮した子役さんのあまりにいたいけな演技もあって「…結局子役でカワイソがらせる系のドラマかぁ」といたく脱力しました。
擬似オタクで醒めた言動の数学教師八幡役・水嶋ヒロさんの存在が唯一の光でしたが、「そういう演技もできるのね」とわかったところで…何か楽しいか?この2話の「学校は砂漠だよ…」が八幡最大の見せ場で、この先はもう用意されてないような気もします。
(それにしても指導記録入り段ボール4函、あの狭いアパートにひとりでよく運び込めたな八幡。ワゴン車みたいので通勤してるにしても駐車場から部屋のドアまでの間、近隣住民に見られたら目立ってしょうがないだろうに。やっぱりどっかで変身してる?)
伊藤淳史さんの“ひたむきで共感性高いゆえに流されやすい、満更バカじゃないからますます苦労する不器用キャラ”がよくはまっています。俳優として『電車男』『海猿』の頃から伊藤さんに好感を持っている人が、いちばん待ち時間を楽しめているかもしれない。
あと、理屈抜き「セーラー服10代女子を見ているとそれだけで眼福」という嗜好の人も。