山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

鳩山さんは山形でもごしゃぐべな~ ③

2009-03-10 22:34:50 | 建物
 ああ、子どもたちに古い校舎で寒い思いをさせたくない、耐震性に不安がある古い校舎で学ばせたくない、などのPTAや教育委員会の思いが、全国的にも稀有になってしまったアールデコ様式にして文化財的にも歴史的にも価値が高い校舎であることの自負を大きく上回り、ついに全面改築されるに至っている。
 むろん、「見映え」だけで子どもたちを教育することはできないが、さ~て、上と下ではどちらが見映えがするであろうか。
 前者の時代にオリンピックのゴールド・メダリスト(※注)が卒業したという歴史を秘めているだけでなく、建物自体が山形の昭和史そのものであり、まさしく奥羽本線西側のランドマークとして風格も充分な校舎であった。
 さて、鳩山さんがこの二つの写真を見たらどう感じられるであろうか。やはり東京中央郵便局の改築問題のようにごしゃぐ(憤激する)のであろうか? 

※注:1956年のメルボルン五輪のレスリングで優勝した笹原正三選手

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鳩山さんは山形でもごしゃぐべな~ ②

2009-03-09 20:46:01 | 建物
 一昨日の記事もだが、このシリーズで採り上げられる建物や街並みは決して国や自治体によって指定されたり登録された文化財ではない。
 でも、だからといって文化財的な価値がない建物というわけではないどころか、むしろ多くの市民が長い間親しみ、癒しを覚え、外来者からも注目を集めてきた歴史的にも価値のある優れた建物であることは確かである。
 しかし、公機関から「お墨付き」を与えられていない建物は維持補修のための経済的支援はまったく望めないどころか、むしろ「防火防災」の上で望ましくない建物とさえ見做されることが多く、老朽化の極地に至り解体を余儀なくされるか、道路拡幅などの“公共事業”により容赦なく重機などで粉砕されてしまうようだ。
 左の写真にあるピンク色の建物も文字通りの街角に立つ街のランドマーク的な昭和初期レトロ建築であったが、道路拡幅により解体され、その後は「右手」の写真のように隣地に新築された商業ビルの側面の無粋な外壁が露出されることになった。
 たぶん滅失した旧店舗敷地のわずかな残余地には店舗等の建物は建たないで、狭隘な駐車場かポケットパークくらいにしかならないであろう。
 つまり中心市街の中心街路のこの角地はコンクリート壁面の無骨さだけが際立つ景観に変貌してしまっているである。
 これが子孫に誇れる街並み景観であるとはどうしても言い難い。
 さて、鳩山さんがこの二つの写真を見たらどう感じられるであろうか。やはり東京中央郵便局の改築問題のようにごしゃぐ(憤激する)のであろうか?
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日曜日も診察します?

2009-03-08 21:32:05 | 建物
 日曜日くらいはブログも休日にしようかと思っていたが、お医者さんの所に行こうとのお誘いがあったので出かけてみたら、やはり感激のあまり賞味期限が切れないうちにということで本日付けの記事にするにした。
 そこにかけつけてみたら十数人の男女が玄関前に集まっており、唐破風様式の玄関屋根に魅入っていた。
 でも、これが医院? んだっす(そうです)。かつて医院だった建物の玄関でがんす。(←がんす、なんてアカデミー賞外国語映画部門賞にノミネートされたが受賞を逸した『たそがれ清兵衛』での庄内武士たちの言葉がなんでこんな所に出てくるのか? みごと受賞した『おくりびと』の舞台も庄内地方だからすごい!)
 少々話題がそれたが、この旧医院は山形でも歴史のある医院の一つで、山形藩の御殿医をも勤めたそうであり、唐破風の玄関屋根はその格式を伝えているかに見えた。
 その伝統を受け継いでか、近代になってからも建物の外観は和風であり続け、現在にその姿を伝えている。また、屋敷内の土蔵も堅固な造りであった。
 でも、この姿がいつまで続けられるのか、多くの市民に案じられている。
 
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鳩山さんは山形でもごしゃぐべな~ ①

2009-03-07 15:40:14 | 建物
 東京中央郵便局の改築問題に対する鳩山総務大臣の発言が波紋を呼んでいる。
 文化財的価値の高い歴史的建造物である東京中央郵便局を外観を中心にに保存活用するものの、かなり改変を加えて上に超高層ビルを増築することに対して「文化の破壊」であると糾弾している。
 むろん同じような問題は東京駅前だけのことではなく日本中至る所で発生している。山形の場合も例外でなく、むしろ典型なのかもしれない。
 だから彼が総務大臣としてではなく、一個人として山形の状況を知った場合、やはり東京中央郵便局の場合と同様にごしゃぐであろうか。(◆タイトルの「ごしゃぐべな~」は山形弁で「憤激するであろうなあ」の意味)
しばらくこのシリーズを断続的に連載するが、多少辛口なのでご容赦願いたし。
 まずは上の写真と写真の説明をご覧いただきたい。
◆写真 左は鳩山氏と東京中央郵便局 「右上」都市計画の道路拡幅により一斉に解体消滅した昭和初期ロマン漂う街並み 「右下」消滅後に形成された新しい街並み 膨大な公費が投入され、都市計画と公共事業の名で為されたにしては街並み景観が“劣化”したことは確か。唯一の“成果”はクルマの通行量がほんのわずか増加したこととスピードを上げやすくなったことぐらいか。歩道の整備はこれからだが、魅力に欠けた街では歩行者の増加は望めない。
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これも二重橋

2009-03-06 21:23:50 | 風景
 同じ山形県内でも山形市と庄内地方は地理的にも他県のように異なる。
 山形市から鶴岡市にでかけるには2つのルートがあるが、最上川沿いの平地を通るにはかなり時間がかかるし、もう一つのルートは奥深い月山山系越えである。
 その月山山系からやや鶴岡寄りの所にドライブインがあるが、そのすぐ側の深い峡谷に架かる橋が望めた。むろんその橋の上は国道112号である。
 ところが、その橋のすぐ近くのやや下方にも古い橋が残されているのが見えた。
 むろん今では使えない橋である。
 でも、ドライブインの外階段からはディオが住むモンテ、つまり神が住む山、つまりモンテディオ(※注)である月山、湯殿山に架かる「二重橋」に見えて神々しく感じた。二重橋は皇居だけに在るのではない。
  ※注:モンテディオは今年J1入りした山形が拠点のプロ・サッカーチームの名称。いよいよ明日がJ1での初試合。
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春になりました

2009-03-05 20:11:14 | 方言
 もう3月だがら春には違いないし、確かにそど(外)の陽射しはあたかい(暖かい)げんと、うづ(家)のながはやっぱり寒いがらストーブは要る。
 ほんでもボクはストーブよりはこだづ(炬燵)のながさはいて(中に入って)まろこぐなて(丸くなって)寝でいだ方がしぇ~っス(いいです)。
 室内暖房も排気筒がそど(外)さ出でいるクリーンヒーターはこの頃調子悪くて、うづ(家)の人は旧式のストーブば使うこどがうがぐ(多く)なているみだいだす(なっているようだし)、燃焼による紅い光が出るど心もあたかぐ(暖かく)なり、そして上さやがんば(やかんを)あげでお湯も沸がすい(涌かせる)がら便利だなてゆてる(言ってる)。
 なるほど、3月にもなっど(なると)おっきな(大きい)ストーブはしぇのなが(家の中)あづすぎで(暑過ぎて)、ちちゃこな(小さな)ストーブのあづさぐらいで丁度いやんばい(良い具合)なのよっス~(なのですよ)。
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炭焼藤太と金売吉次が通った道 ⑬

2009-03-02 21:38:24 | 郷土史
 小白川町の天満神社を一気に下り、やや右手の北西の方向に歩くと小学校や市街地公民館があり、その北側の完成な住宅街に小さな公園が見えてくる。
 その一角に小さな祠があるが、それが藤森稲荷である。
 一見きわめて平凡な祠であるが、炭焼藤太に関する伝承が伝えられているから、謂われはかなり古そうである。
 いまでこそ住宅がびっしり立て込んでいる市街地となっているが、往古は一面が深い森で、通り抜ける者すら滅多に居らず、土地に宿る神霊(稲荷明神)も退屈きわまりなかったとのことである。
 そんな深い森にもかかわらず通り抜けようとしたのが炭焼藤太であった。
 そこに老翁に化した神霊が彼の前に現れ、「近くの村人たちの幸福を祈るために三百年ほどここに住み続けてきたが、通る者とていないから、誰も私の祈りをわかってもらえないまま過ごすしかなかった。」と語って消えた。
 藤太に会ったに因んで藤太森、そして藤太森に現れた稲荷明神のゆえに藤森稲荷と言われるようになったとのことである。どんどはれ。(←なんでここに岩手民話の〆言葉が出てくるの?)
 また、なんでそんなに深い森の中に農業神の稲荷様が住み着いたのか不可思議なり。
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