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その発明により権威ある科学賞を受賞した10歳の天才少年が、その授賞式の出席のために、たった一人でアメリカを縦断する話。子どもの可能性や、ロードムービーでの成長をみせる内容かと思いきや、家族愛を語ったホームドラマ。監督のジュネにとって扱いなれないテーマかと思えたが、なかなか後味のよい快作だった。
天才少年ゆえの、発想、世界の見え方が可愛くてユニーク。そして少々の毒ッ気あり。次々に繰り出される想像力豊かな描写は「アメリ」を彷彿とさせる。少年の旅は家出同然であり、亡き弟への悲しみを引きずる。小さな体には酷にも見える大き過ぎるスーツケースを一緒に持ってくれる大人はいない。それどころか、少年の旅路を阻もうと、大人たちが追いかけ回す。少年は可愛いのに、下手に甘やかされないのが良い。可愛さ余って抱きしめようものなら、肋骨が折れているので「痛い!!」(笑)。
それにしてもアメリカは広い(カナダ?)。車窓からの雄大な景色を見送る日々は、まさに少年の心の旅といったところ。少年が行き着いた先に待ち受けるのは「家族の再生」というゴールだ。
主人公演じた男の子は実際に何カ国語も話せるガチな天才とのこと。なるほどー。
【65点】
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