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テニス全仏オープン2015、決勝戦にシビれた件。

2015-06-09 01:16:17 | 日記


日本人テニスプレーヤー、錦織選手の活躍が目覚しいテニス界。
錦織選手への注目ついでに、最近、彼以外の試合を含めてテニス観戦の熱が再燃してきた。

そんで、最近、錦織選手以上にお気に入りのテニス選手ができた。
スイスのスタン・ワウリンカだ。人によってはパブリンカと発音されている。

彼の魅力は超攻撃型のプレースタイルと、泣く子も黙る「バックハンド」だ。
そして「熊」に似たブサ顔がどこか愛嬌があって好きだ。
彼のバックハンドは片手バックハンド。通常両手打ちじゃないと弾に力が伝わらないのだが、彼のバックハンドは片手でも凄い威力。放たれた瞬間、レザービームのような スピードで相手陣営を鋭くエグる。これがめちゃくちゃカッコいい。クロス、ストレートと自在に打ち分けることができ、その精度も高い。

今年の全仏オープン。準々決勝で錦織選手が「ラガーマン」の地元のツォンガに負けた。サーブとフォアハンドの力だけで押しまくるツォンガに勝手に腹が立ち、次の準決勝、ワウリンカ戦でコテンパにやられてほしい、という想いから、それを見届けるため急遽WOWOWに加入した。その結果はツォンガのサーブに少々苦しめられたものの、ワウリンカが勝利。そして、その後の決勝であるジョコビッチ戦が昨日開催され、最初から最後まで見届けた。素晴らしい試合で感動した。

ジョコビッチは現在不動のNo1プレーヤー。4大大会のうち、この全仏だ けタイトルを獲っておらず、彼にとっては是が非でも勝ちたい一戦だった。準々決勝では前回王者でクレイコートの神、ナダルに完勝。準決勝では同級生ライバルのマリーとの死闘を制した。4大大会完全制覇、その偉業達成のお膳立てはすべて整った。大会のムード、大方の予想は完全にジョコビッチになびいていたはず。自分もワウリンカファンとはいえ、ジョコビッチが勝利すると予想していた。。。。

結果はワウリンカの完全勝利。
しかも、4─6、6─4、6─3、6─4の逆転。
その結果だけ見れば、ワウリンカの3-1の圧勝だが、その中身はシビれるほどの接戦だった。

序盤からジョコビッチの精度の高いテニスが光る。基本ミスをしない。ワウリンカの強打に対して、守って守 って守りきる。序盤から攻撃的に飛ばすワウリンカはジョコビッチの堅守に対してミスを連発。マリー戦の疲れは全く感じさせない、いつものジョコビッチだ。1セット目だけをみれば、ジョコビッチの勝利は目に見えていた。

しかし、2セット目から様子が変わってくる。
まず、ワウリンカのファーストサーブが決まり出す。そして、ラリーが長くなる。つまり、ワウリンカのボールコントロールの精度がジョコビッチに並ぶ。ワウリンカの集中力が増しているのは明らかだ。そうなると、互角にはならない。ストローク戦において武器を持つワウリンカが押し始める。鋭利なフォアハンドとバックハンドのウィナーが、ジョコビッチ相手でもズバズバと決まり出す。ジョコビッチは食らいつく。食らい ついて、わずかなほころびをポイントに変える。しかし、ワウリンカの好勢は変わらない。2セット、3セットをワウリンカがモノにする。途中、絶対王者のジョコビッチはストレスで自らのラケットを叩き割る。

確実に勝利を置きにいったジョコビッチは、言わばノーリスクノーリターン。一方のワウリンカは最初から最後まで攻撃の手を緩めないハイリスクハイリターン。観ていて面白いのは後者のワウリンカだ。



3セット目の中盤から、ようやくジョコビッチも攻撃的なスタイルをとるが、とき既に遅しだ。ワウリンカの勢いは止められない。気づけばワウリンカのウィナーの数が、ジョコビッチのそれを倍以上も上回っている。会場もワウリンカのスーパープレーに大いに沸く。ジョコビッチ の歴史的快挙達成のムードはどこへ。

そして運命の第4セット。
ワウリンカのマッチポイントの決まり手は、伝家の宝刀「バックハンドのダンザライン」!!。鮮やかにウィナーで決まった。
あーー何てスカっとするプレイを魅せてくれるんだ、ワウリンカ!!

試合後、ジョコビッチはワウリンカを笑顔で祝福した。準優勝の登壇時、鳴り止まぬジョコビッチへの喝采に、ジョコビッチは涙を堪えきれない。こっちももらい泣きである。「人生にはテニスよりも大切なものがある」「人間としてもスタン(ワウリンカ)を尊敬している」とジョコビッチ。さすが人格者としても世界王者だ。それに対して「いつかノバク(ジョコビッチ)が生涯グランドスラムを達成することを信じている」とワウリンカ。
スポーツマンシップ、ここにありだ。これがテニスの魅力でもある。

素晴らしい試合を魅せた2人に拍手だ。