「情けは人のためならず」という諺があります。
子供の頃、母親が間違った意味で教えてくれていたことから、35歳くらいまでそれに気付きませんでした。
読者のみなさんは正しい意味をご存知だと思いますが、若かりし頃の私の無知を恥ながら、改めて正しい意味をご紹介したいと思います。
今は亡き母が教えてくれた諺、「情けは人のためならず」の誤用とは、“情けをかけるとその人を甘やかすことになり、その人のためにならないから、無闇に情けをかけないように”というものでした。
母も誰かから教えられて、間違いとも知らずにそのまま記憶していたのだろうと思います。
私が30歳代半ばのある日、勤務先の支店長が数人を前にして突然「情けは人のためならずの意味を知っているか?」と尋ね、二人を指名しました。
私は指名されなかったので恥をかかなくて済みましたが、一人は間違った意味を、一人は正しい意味を答えていました。
「情けは人のためならず」の原義は、「情けは人のためではなく、いずれ巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にしておいた方が良い」というもので、人に情けをかけておけば、いつかは巡り巡ってよいことがある。情けを受けた者は自然それを有り難く思って、情けをかけてくれた人に好意を持つようになるから、何かの折には報いがあるものだ。
と言うことです。
道歌(道徳・訓戒の意味を分かりやすく詠んだ短歌)にも、
「我が為になすは 我が身のためならず 人のためこそ 我が為と知れ」とあるように、他人のために尽くすことは自分のために尽くすことである、という教えですが、これも母が言っていたことをかすかに記憶しています。
近年、私が間違ったような「情けをかけることは、その人のためにならない」の意味で誤用する人が増えているそうですが、このような誤用が生じるのは、打ち消しの「ず」が「為(に)なる」にかかっていると解釈することによって、「ためにならない」という意味になるからではないかと言う専門家もおられます。
理由は兎も角、誤用しないように気をつけたいものです。
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「情けは人のためならず」は、本来は宗教用語とも言える「因果応報」から来ているとも言われます。
現世での行いが、後の世に影響するとの考え方です。
善い行いをすれば、自分の子々孫々に良い影響を与えるし、悪いことをすれば子孫に祟るというものです。
中国では、川や湖の畔で魚や亀などを洗面器に入れて売っておりました。あんな物をお土産に買う人がいるのか?と不思議に思いましたが、そうではなくお金を払って川や湖に放してやるのです。
そうすることで、生類に情けを掛けたことになるとの考え方なのです。
まあ、地元民は又捕まえて来ますけどね。(爆)
たとえ解釈を間違っていても、こんな倫理観を日本人が持つ限り、人の道をはずさない者の方がいつまでも多いことを
信じたいです。
こんどの台風は、拍子抜けするほど速やかに通り抜けました。各地には、大きな被害を出したようですが、
此方はほとんど雨も風も大したことがなかったです。
今でもこの2曲は歌えますよ。
>そうすることで、生類に情けを掛けたことになるとの考え方なのです。
中国版、生類憐みの令のような感じですね。
でも、綱吉の令のようにお咎めはなさそうですね。