らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

仁徳天皇「民のかまど」伝説

2023-03-31 | 地元紹介

北朝鮮が何度も、何度も日本海に向かってミサイルを発射しています。
2022年に北朝鮮が発射した弾道ミサイルは50発を超え、2012年に金正恩政権になってからの最多を記録したそうです。
北朝鮮専門家によると、ミサイル1発の費用はおよそ3~4億円、射程距離が長いものだと10億円にもなるということです。
核開発にも力を入れている北朝鮮は、その莫大な費用をどこから入手しているのでしょうか?

一方で、北朝鮮の国民は苦しんでいます。
食べるものがなくて飢餓で死んでいく人々が絶えず、住民の生活水準が比較的高い開城(ケソン)市でさえ、毎日数十人が餓死しており、住民からは「ただ人間らしく生きたい」と飢餓に苦しむ声が上がっているという事です。
国民が飢餓に苦しんでいる状況下に、なぜ、何億円もするミサイルを製造し、発射するのか?
権威主義国の為政者、金正恩氏は民の苦しみを考えないのか?
国民は金一族の奴隷として搾取する対象としか考えていないのでしょうか?

「仁徳天皇陵」
民と言えば、日本では1700年ほど前に仁徳天皇が民の生活の苦しさから、租税の免除を発したとの伝説が残っています。
その伝説は後に記すとして、その前に仁徳天皇陵についてご紹介します。

仁徳天皇陵古墳はエジプト・クフ王のピラミッド、中国・秦の始皇帝陵と並ぶ世界3大墳墓の一つといわれ、上から見ると円と四角を合体させた前方後円墳という日本独自の形で、5世紀中ごろに約20年をかけて築造されたと推定されています。
前方部を南に向けた墳丘は全長約486m、後円部径約249m、高さ約35.8m、前方部幅約307m、高さ約33.9mの規模で3段に築成されています。

・仁徳天皇陵古墳です(パンフレットより)


・仁徳天皇陵参拝所です。


「民のかまど」伝説
仁徳天皇は即位して4年目のある日、難波高津宮から遠くを見渡して、人々の家から少しも煙が上がっていないことに気付きました。
天皇は「民のかまどより煙が立ち上らないのは、貧しくて炊くものがないのではないか。都がこうだから、地方はなおひどいことであろう」と仰せられ、3年間、税を免除しました。
税を免除したことから朝廷の収入はなくなり、宮殿は大いに荒れました。
天皇は衣も新調せず、茅葦屋根は破れて雨漏りがあり、星の光が屋根の隙間から見えるという有様でした。

3年経って、天皇が同じ高台に出て遠くを眺めると、今度は人々の家々から炊煙が盛んに立つのをご覧になり、一緒にいた皇后に「我は豊かになった。喜ばしいことだ」と言いました。
皇后は「私たちが住んでいる皇居の垣は崩れ、衣服には穴があき、屋根が破れて雨漏りがしているのに、どうして豊かになったと言えるのですか?」と問うと、天皇は、「昔の聖王は国民の一人でも飢え、寒がる者があるときは自分を顧みて自分を責めた。今、国民が貧しいのは自分も貧しいのだ。国民が富んでいるのは自分も富んでいるのだ。未だかつて人民が富んで、君主が貧しいということはあるまい」と言ったのです。
「6年間税を免除」
天皇は引き続き、更に3年間、税を献ずることを許さず、6年が経過してやっと税を課し、宮殿の修理をすることを許しました。
すると人々は命令もされないのに、老人を助け、子供を連れて、材料運びに精を出し、昼夜をいとわず宮殿づくりに励みました。
そのため、瞬く間に宮殿ができあがりました。
それ以来、天皇を「聖帝(ひじりのみかど)」と崇めるようになりました。

日本の天皇は、初代の神武天皇以来、国民を「おおみたから」と呼んでいます。国民は奴隷として搾取する対象ではなく、宝として大切にするという姿勢です。
仁徳天皇はその姿勢で政治を行い、困窮者を救い、病者を慰問し、孤児や寡婦を扶助したと「日本書紀」にも書かれています。

「仁徳天皇御歌」
   「高き屋に のぼりて見れば 煙(けぶり)立つ 民のかまどは にぎはひにけり」
  意訳:高殿に登って国のありさまを見わたすと、民家からは煙がたちのぼっている。民のかまども豊かに栄えているのだ。

・仁徳天皇の歌碑です。