らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

誤解しやすい言葉「割愛する」

2023-03-27 | 雑学

誤解しやすい言葉に「割愛する」があります。
皆さんはこの言葉についてどのような意味だと思われますか?
実は、「国語に関する世論調査」では,65%以上の人が本来の意味ではない「不必要なものを切り捨てる」と答えていました。
では、本来はどのような意味の言葉でしょうか?
調べてみました。

「割愛」
「割愛」を広辞苑で調べてみると、  ①相執を断ち切ること。②惜しく思うものを思い切って手放したり省略したりすること。
と説明しています。

「割愛する」は,本来,惜しいと思っているものを,思い切って捨てたり省略したりすることを言います。
元々は仏教用語で,人や物事に対する愛着の気持ちを断ち切ることを言いました。
従って、不必要なものを切り捨てるとか、単に省略する、という意味ではありません。

「国語に関する世論調査」
令和3年度と平成23年度の「国語に関する世論調査」で,「説明は割愛した。」という例文を挙げて,「割愛する」の意味を尋ねたところ、結果は以下のとおりでした。(下線を付したものが本来の意味。)

 質問:「説明は割愛した。」は次のどの意味か?
〔全 体〕
                   令和3年度    平成23年度
(ア) 不必要なものを切り捨てる・・・・・・・・・・65.3%・・・・・・・・・・・・ 65.1%
(イ) 惜しいと思うものを手放す・・・・・・・・・・23.7%・・・・・・・・・・・・・17.6%(本来の意味)
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.5%・・・・・・・・・・・・・・1.7%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・5.0%・・・・・・・・・・・・・・ 3.3%

・年代別の回答結果
 年令別の回答結果は以下の通りです。
  ・令和3年度                          ・平成23年度


調査の結果は、全ての年代で辞書等で本来の意味とされてきたものとは異なる(ア)の「不必要なものを切り捨てる」を選択した人の割合が、本来の意味とされてきた(イ)の「惜しいと思うものを手放す」を上回っています。
中でも、30 代以下では(ア)を選択した人と(イ)を選択した人との割合に 50 ポイント以上の差がありました。

「本来の意味」
「割愛する」とは、本来は「惜しいと思うものを手放したり省略したりする」意味であり、「不必要なものを省く」ことではではありません。
元々は仏教用語で「悟りを開くために邪魔になる愛着やこだわりを断ち切る」ことから来ているのです。
「愛着を断ち切る。恩愛や煩悩を捨て去る。」「惜しいと思うものを思いきって捨てたり、手放したりすること。」即ち、愛着が割かれることが「割愛」のもともとの意味なのです。

従って、ただ単に「省略する」という意味ではなく「本当は省略したくないのだが事情により残念ながら省略せざるを得ない」というニュアンスになります。
使用する時は気を付けたいですね。