私が住まいしている大阪南部の熊取町は連日35度前後の猛暑が続いています。
町役場では猛暑の危険性から「日中の外出はできるだけ控えるように」と呼びかけています。
この時期、家庭菜園では秋野菜の準備をしなければいけないのですが、この暑さでは日中に畑に行くわけにもいかず、もっぱら録り溜めたドラマを観る日が続いています。
そんな中、先日、「十津川警部」シリーズの第45話、「志賀高原殺人事件黒姫伝説の謎」を観ました。
このドラマから、「黒姫伝説」とはどのような伝説なのか?
興味が湧いたので調べてみることにしました。
「ドラマ」
ドラマは十津川警部(渡瀬恒彦)の部下の亀井刑事(伊東四朗)が休暇を取って志賀高原を訪れるバスの中での出会いから始まります。
亀井は、美しい女性・広田みや子(上野なつひ)と出会い、みや子から志賀高原の大沼池に伝わる「黒姫伝説」について聞かされ、美しい娘・黒姫と大蛇の化身との悲恋に思いを巡らせます。
その翌朝、大沼池のほとりで亀井がみや子を見つけたその時、銃声が響き、みや子は何者かに狙撃されました。
息を引き取る間際、みや子は亀井に「黒姫伝説」由来のお守りを託します。
この後、連続殺人事件に発展してドラマが展開していきます。
・大沼池の大蛇神社です。
一方、地元に残る「黒姫伝説」は次のように伝えられています。
「黒姫伝説」
今の長野県中野市に、戦国時代、高梨氏という一族が勢力を張っていました。
高梨氏の武将高梨政盛(一説では政頼)に黒姫という美しい姫様がいたそうです。
ある日、殿様は黒姫を伴ってお花見に出かけました。
その花見の宴のさなか、黒姫の前に一匹の白い蛇が現われたのです。
殿様は「宴の楽しさにつられて出てきたのだろう」と上機嫌で言い、「姫、あの蛇にも酒盃をあげなさい」と黒姫に勧めたのです。
黒姫は蛇を怖がらずに、酒盃を白蛇の前に差し出すと、蛇は嬉しそうにそれを飲み干して去っていきました。
後日、殿様のところに一人の立派な姿の若者が訪れました。
その若者は「私は、あのお花見の宴の時、黒姫からお酒をいただいた者です」と告げました。
殿様は彼の話を聞いて驚きました。
若者は、「自分は、志賀高原の大沼池に棲む龍です」と言い、白蛇に化けて散策していたところへ、花見に来ていた殿様一行と出くわし、酒を飲ませてくれた黒姫の姿が忘れられないと言うのす。
続けて、「姫をさらうのはたやすいことですが、それでは道理に反するのでこうしてお願いに参りました。黒姫をぜひ妻に貰いたいのです」と。
当然、殿様は断わりました。
人でない者に大事な娘を渡せなかったのです。
しかし、この若者はその後も、毎日、毎日、殿様のもとを訪れ、お願いしたのです。
屋敷を厳重に警備しても無駄でした。
若者は必ず殿様の前に現われたのです。
若者の熱心な姿に、いつしか黒姫は龍に心ひかれるようになりました。
若者が城を訪ねて来るようになって100日目、心配になった殿様は部下と相談し若者に策を仕掛けたのです。
その罠にまんまと陥った彼は、殿様たちから殺されそうになります。
若者は激怒し、「礼をつくした返答がこれか!」
本性を現わし、龍となって、たちまち天にかけのぼったのです。
その途端、あたり一面が大嵐に襲われました。
あちらこちらで洪水がおこり、あたり一面地獄のような光景と化したのです。
やさしい黒姫はこれを見て、矢も盾もたまらず「龍よ、私はあなたのところへ行きましょう。だから嵐をしずめておくれ」と呼びかけたのです。
その声を聞きつけ龍が天から下りてきて、黒姫を乗せると再び天にかけのぼっていきました。
龍は妙高と戸隠の間の山に降りたち、山頂の池で黒姫と暮らすようになり、以後、その山を「黒姫山」と呼ぶようになったというお話です。
・伝説の黒姫山です。
悲しい黒姫伝説ですが、ドラマでは龍は出てきません。
「大沼池」の赤い鳥居や「大蛇神社」は出てきましたが、伝説と結びつけることができるのはこれくらいのものです。
ドラマの全体としては通常の連続殺人事件としての展開でした。