らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「がぜん」本来の意味は?

2022-07-27 | 雑学

文化庁が行っている令和2年度の国語に関する世論調査で、言葉の本来の意味を尋ねる項目があります。
その中の一つに「がぜん」という言葉はどちらの意味だと思うか?  
と言う質問があり、その調査結果があったのでご紹介します。

「質問」
・「がぜん」という言葉はどちらの意味だと思うか?

「調査結果」
(ア)「とても、断然」という意味     67.0%
(イ)「急に、突然」という意味      23.6%(本来の意味)
(ア)と(イ)の両方           5.8%
(ア)、(イ)とは、まったく別の意味   1.7%
 無回答                 2.0%

「本来の意味」
「がぜん」の本来の意味は(イ)の「急に」「突然に」と言う意味です。
ところが調査の結果では、全ての年代で、辞書等で本来の意味とされてきたものとは異なる(ア)「とても、断然」を選択した人の割合が、本来の意味とされてきた(イ)「急に、突然」を上回っています。
中でも、40 代以下では(ア)を選択した人の割合と(イ)を選択した人との割合に 50 ポイント以上の差がありました。

・年代別調査結果(赤が本来の意味です)


「俄然(がぜん)」
「がぜん」を漢字で書くとわかり易いと思います。
漢字では「俄然」と書きます。
「俄然」の「俄」は訓読みでは「にわか」と読み、「急に、いきなり」という意味を持ちます。
一方の「然」は状態を表す意味があります。
この二つの漢字を重ねた「俄然」は、「急に(その状態に)なる=突然に」というニュアンスが読み取れると思います。
漢字で書くと理解しやすくありませんか?

「誤用例」
「俄然」を「こっちの方が俄然似合っているよ」のように、何かと比較して「より一層」の意味で使用するのは誤りです。
「俄然」は「急に、突然」という意味のため、「俄然似合っているよ」は「急に似合っているよ」となり、意味をなさない言い回しになります。
更に、「俄然有利になる」は「急に有利になった」という意味では正しいのですが、「一層有利になった」という意味にとるのは誤りです。

しかし、言葉の意味は時代と共に変化することもあることから、将来、「より一層」という意味で使われるようになることがあるかもしれません。
そうなると、現在では本来の意味である「急に、突然」が「誤用ではないの?」となることもあり得ますね。