難読漢字
9月21日から今日9月30日までの10日間、秋の全国交通安全運動が実施されています。
最終日の今日は「交通事故死ゼロを目指す日」となっています。
車を運転する人は勿論、自転車や歩行者の人も交通事故を起こさないように、そして逢わないように十分ご注意していただきたいと思います。
さて、先日の9月27日は「女性ドライバーの日」という記念日でした。
103年前の1917年(大正6年)のこの日、栃木県在住の渡辺ハマさんという23歳の女性が、日本の女性として初めて運転免許を取得したことに由来して記念日になったということです。
運転と言えば、今日は「車」の字が付く易しい漢字でありながら、読みが難しい言葉を2問アップしてみました。
「第1問」
「運る」と書いて何と読むでしょうか?
「うんる」、「はこぶる」ではありません。
実は「めぐる」と読みます。
一般的に「めぐる」は、「巡る」「廻る」「回る」などが知られていますが、「運る」も「めぐる」と読むのです。
広辞苑で「運転」を調べてみると、4つの説明がありますが、その第1番目に「めぐる」を説明をしています。
①巡りまわること。天体・時節がめぐること。運行。
②、③、④には機械が動くこと、などの説明がありますが、「めぐる」に関係ないことから省略します。
「うんてん(運転)」の「運」を「うん」と読むのは音読みであり、訓読みにすると辞書が説明しているように「めぐる」と読みます。
訓読みでは他にも「はこぶ、めぐらす」とも読みます。
「第2問」
2問目も車が付く文字です。
「車前草」は何と読むでしょうか?
漢字ではこのように書きますが、よくご存じの野草です。
正解は「おおばこ」です。
広辞苑で「おおばこ」を調べると、「大葉子・車前」と漢字で書いており、その説明では、オオバコ科の多年草。アジア各地に広く分布。踏まれても強く原野・路傍に生えている普通の雑草。と書かれています。
「車前草(おおばこ)」には、「踏まれると粘液が出て、種子が踏んだものに付着し、運ばれて繁殖する」という性質があります。
このことから、人や車に踏まれやすい場所に生えるのだそうで、そこから「車」の字が当てられたのかもしれません。
・群がり立つ雲、「叢雲」です。(ネットより)
「第3問」
次は車とは関係ないのですが、「叢雲」、この漢字は何と読むのでしょうか?
この漢字も広辞苑で調べてみました。
「叢」の字を「そう」で調べると、①くさむら。草木が群がり生えること。②むらがり集まること。集めたもの。
また、「くさむら」で調べると、漢字で「草叢・叢」と書き、草がむらがり生えているところ。
と説明しています。
もうお解りですね。
そうです。正解は「むらくも」です。
音読みでは「そううん」になります。
「叢」の字は、音読みでは「そう」と読み、訓読みでは「むら」と読みます。
音、訓、どちらの読みでもいいのですが、諺や神話の多くは訓読みの「むらくも」で読まれています。
この「むらくも」で読んだ諺に、「月に叢雲(むらくも)、花に風」があります。
意味は、せっかくの美しい月を叢雲が隠してしまったり、美しい花を風が散らしたりするように「良い事、楽しいことには邪魔が入りやすい。世の中はままならない」という意味の諺です。
更に、三種の神器の一つ、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)も「むらくも」と読まれています。
因みに、三種の神器とは、日本神話において、天孫降臨の際に天照大神が瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に授けた三種類の宝器で、鏡と剣と玉です。
鏡は「八咫鏡(やたのかがみ)」、剣は「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」、玉は「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」の三種です。
今日は易しい漢字ですが、読み方が難しい難読漢字を取り上げました。
ご参考になれば幸甚です。