らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

3氏の「座右の銘」

2020-09-16 | 時事

14日に行われた自民党の総裁選挙は菅氏が有効投票数534票の7割にあたる377票を獲得し、岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長を破って第26代総裁に選出されました。
本日16日に召集される臨時国会で安倍首相の後継となる第99代首相に指名される運びとなります。
なお選挙の2位は岸田氏で89票、石破氏は68票で3位でした。

これに先立つ日曜日の新聞に3氏の「座右の銘」が載っていました。
それぞれ”お人柄をよく表している言葉を選んでいるなあ”と感じたので取り上げてみました。

「座右の銘」
「菅 義偉氏」
先ず、菅官房長官は「意志あれば道あり」と揮毫していました。
この言葉は、第16代アメリカ大統領で奴隷解放の父と言われたリンカーンの言葉です。
(参考)
リンカーンはアメリカ合衆国第16代大統領(任1861年~1865年)で、奴隷解放宣言、「人民の、人民による、人民のための政治」という演説でも有名です。
南北戦争による国家分裂の危機を乗り越えたことなどが評価され、最も偉大な大統領とも言われています。

リンカーンの言葉の「意志あるところに道は開ける」は、どんなに困難な事でも、それをやり遂げる意志さえあれば必ず道は開ける、という希望と勇気の湧く言葉です。

苦労人・菅氏にぴったりする言葉のように思います。
足を踏み出すことをためらっている時、困難にぶつかって折れかけている時、この言葉を思い出してください。


「岸田文雄氏」
続いて、岸田氏は「春風接人」と揮毫しています。
この言葉は儒学者・佐藤一斎の著書「言志四録」で述べているもので、この後に「秋霜自粛」と続きます。
「春風接人 秋霜自粛」とは、「春風のように、さわやかに温かく他人に接し、自分には秋の霜のように厳しく慎みの心を持つ」という意味です。
(参考)
儒学者・佐藤一斎は今から250年ほど前に昌平坂学問所の塾長を務めていました。
門弟には佐久間象山、渡辺崋山、孫弟子には吉田松陰などがいます。
あの西郷隆盛もこの人の書いた『言志四録』全1133条から感銘を受けた101条を抜き出し『手抄言志録』として座右に置いたと言われています。
この言葉は
小泉純一郎元首相のメルマガに、”私の好きな言葉の一つに「春風接人」がある” と紹介していたそうです。

岸田氏の優しそうな人柄にぴったりする座右だと思います。
しかし、総裁になるためには真面目で大人しすぎるイメージはマイナスであり、もう少し強力な個性をアピールするカリスマ性が欲しいところです。
このことが89票という得票結果に表れているのではないでしょうか?


「石破 茂氏」
石破茂氏は「鷙鳥不群(しちょうふぐん)」と揮毫しています。
この意味はワシやタカのような強い鳥は群れないという意味です。
「鷙(し)」とは、猛鳥の意で、性質の荒い鳥のことです。
この言葉は嘗て「カミソリ」と呼ばれ、外相として不平等条約撤廃に尽力した陸奥宗光の言葉と言われています。
(参考)
陸奥 宗光は、幕末から明治時代の武士で、政治家、外交官です。
カミソリ大臣と呼ばれ、第二次伊藤博文内閣の外務大臣として不平等条約の改正(条約改正)に辣腕を振るいました。
日清戦争の講和会議(⇒下関条約の締結)で、日本側全権代表を務めたことでも知られています。

石破氏も「不群」というご自身の性格にぴったりする言葉を選んでいます。
ワシやタカのような強い鳥、いわゆる「鷙鳥」は群れないのでしょうが、政治家は仲間を持たないと選挙には勝てません。
不群にこだわって、仲間を増やさない限り、自民党にいても石破氏には総裁のチャンスはないでしょう。


それにしても、総裁選挙に立候補した3氏は共に、ご自分の性格をよく認識しており、ご自分の性格を表すような座右の銘を選んだものです。

コメント (1)
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