らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

金正男氏殺害

2017-02-19 | 時事

「被髪佯狂」という言葉があります。
この漢字は「ひはつようきょう」と読みます。
「被髪佯狂」の「被髪」とは、髪を結ばずに解き乱してあること。そして「佯狂」は狂人のふりをすることです。

この言葉は「史記」からで、古代中国・殷王朝の政治家、箕子(きし)の逸話を司馬遷が史記に残しているものです。
その逸話とは、古代中国の殷の紂王(ちゅうおう)の臣下である箕子は、暴政を行う紂王を諫めますが聞き入れられませんでした。
暴君の紂王に睨まれた箕子は命の危険にさらされます。
君主の下を去れば、君主の悪を公表することになり、自身を弁解することになると考えた箕子は、狂ったように装って奴隷に身をやつし、権力から遠ざかった。
という故事です。
紂王は殷王朝最後の王で、酒池肉林の故事で有名な悪王であり、夏の桀王、殷の紂王、周の幽王と共に中国古代愚王の代表と言われています。

この故事を思わせるような出来事が15日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で起きました。
佯狂ではないものの、権力から遠ざかって諸国を転々としていた北朝鮮のロイヤルファミリーで 正恩総書記の異母兄の金正男氏が毒殺されました。

金正男氏は弟の 正恩総書記当ての書簡で、自身と家族の助命を乞うたとされています。
しかし 正恩総書記は最高指導者となった5年前から暗殺指示を出し異母兄を亡き者にしようと企んでいたと報道されています。

それにしても、命乞いをする兄を平気で暗殺するという冷酷さ、そして反対意見述べる身内や側近を次々と粛清していく 正恩総書記の残虐な体質が改めて鮮明になった怖い事件でした。