らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

認知症の音楽療法

2016-03-04 | 時事

今月1日、最高裁が画期的な判断を示しました。
責任能力がない認知症男性(当時91歳)が徘徊中に電車にはねられ死亡した事故で、家族が鉄道会社への賠償責任を負うかが争われた訴訟の上告審判決が最高裁第3小法廷でありました。
「争点」
この裁判の争点は、認知症高齢者を介護する家族の監督義務でした。
民法714条では、認知症などが原因で責任能力がない人が損害を与えた場合、被害者(本件ではJR東海)救済として「監督義務者」が原則として賠償責任を負うと規定しています。
「一審判決」
この規定に基づき、1審の名古屋地裁は、「目を離さず見守ることを怠った」と男性の妻の責任を認定し、長男も「事実上の監督者で適切な措置を取らなかった」として2人に請求通り720万円の賠償を命じていました。
「二審判決」
続く2審の名古屋高裁では、長男について「20年以上男性と別居しており、監督者に該当しない」として長男への請求を棄却した一方で、妻の責任は1審に続き認定し、359万円の支払いを命じ、被告の家族が控訴していたものです。
「最高裁判決」
最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は、認知症の人を含む精神的な障害がある人の家族について、「監督する義務があるかどうかは、同居しているかどうかや日常的な関わりがどの程度かといった生活の状況などを総合的に考慮するべきだ」という基準を示し、その上で「このケースでは妻も高齢者で介護が必要な上、長男も離れて暮らしていることなどから、認知症の男性を監督することが可能な状況ではなかった」と指摘して、家族への賠償責任を認めない判決を言い渡したものです。
「注目点」
今回の裁判では、高齢化が進む中、認知症の人が起こした事故の責任を家族がどこまで負うべきなのか、最高裁の判断が注目されていましたが、最高裁の判断は、認知症の家族だからといって、監督する義務を無条件に負わせるのではなく、生活の状況などを総合的に考慮するべきだと指摘するなど、新しい判断が示されました。

「認知症の音楽療法」
ところで、高齢者の4人に1人が予備軍とされ、平成27年で約520万人、平成37年には約700万人まで増加すると厚生労働省が推計している認知症患者ですが、その治療に好きな音楽を聞くなどの音楽療法が脳を活性化させると言うことで、今注目を集めてます。

音楽療法とは、好きな音楽を聴く、カスタネットやタンバリンなどの簡単な楽器を奏でる、歌に合わせて踊る、カラオケで歌うなど、音楽を通じて脳を活性化させるリハビリテーション法のひとつです。
脳を活性化させるばかりでなく、気持ちを落ち着かせるリラクゼーション効果もあって、食欲が増したり、ぐっすり眠れる、笑顔が増えるなどの好ましい結果を生み出されていることから、認知症患者が利用する多くの施設で実施されているそうです。

音楽は「記憶の扉を開けるカギ」とも言われており、子どものときに歌った唱歌や若いころに流行した曲を選ぶと、回想法と同様に昔のことを思い出して、さらに脳を活性化させる効果も期待できるようです。

施設などでは、音楽療法士が認知症患者の年齢や好みに合わせた曲を選び、認知症の進行具合に合わせて歌や踊りを取り混ぜたプログラムを用意するようですが、家庭で行う場合には、市販されている音楽CDやテレビで録画した画像などを利用して本人が好きな曲を流したり、一緒に思い出の歌を歌ったりすることでも十分脳は刺激されるそうです。
カラオケボックスに出かけて思い切り大きな声で歌うのもいいということです。

コメント (1)
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