別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

秋の日に

2009-09-20 | 別所沼だより
 

  今朝は寒いほどで 虫の管弦楽が高らかにきこえた。 彼岸の入り、 ハウスガイドの日。  前庭に草が踏みしだかれて道ができていた。 
刈る 刈らない… 草茫々… 色んな声が聞こえるけれど、 自然のままが好きだ。 
 弁財天や、 かな女の句碑の周りに彼岸花が咲いている。 
 
 竜舌蘭のアキアカネ                                
つかの間に消え去りし
つかの間に消え去りしは
あきつのかげにあらざるか

ぐらすのごとき秋の日に
かげうち過ぐるもの
わが君のかげにあらざるか      
               (後略)      
                                  室生犀星 「秋の日」


 澄みきった透明ガラスのような秋の日、 蜻蛉の薄い羽がふるえながら光る。 つよい陽ざしのなか草いきれが立ちのぼる。 蒸れたような甘い匂いが流れてくる。
 まだつくつく法師や、 ミーン ミン ミン ミン ジー… ミンミンゼミが鳴いている。 涼風がここちよく、 網を手に走りまわるこどもたち。 格好いいお父さんも一緒だ。 虫取りの真剣な顔、 甲高い声がする。
 

  

  五連休、 学園祭、 旅行。 午前中はどなたも見えなかった。 道造の 「鮎の歌」を読んで過ごす。 清楚 愁い 仄か… そんなことばが浮かんだ。

  新しいパンフレットができて、 ハウスの魅力がまとまっている。 プロの写真も満載だ。 ガイドも頑張らないと。 
  午後になって ひとり、 ふたり・・
  この建物はなに?  どうしてヒアシンス?  詩人は母と同い年、今も元気!
    
  コーラスで道造の詩を歌う、 彼をよく知りたい、 魂に触れるため。 ハウスの図面だけではダメで実際に見ておきたいと思う。 一日かけて、文京区の立原道造記念館をみてからきました。
  閉室10分まえ、 でも ごゆっくり味わってみてください。

  

 展示作品: 
  中村齋子ナカムラトキコ 「ほわっ」 「浮かんだ心」(上写真) 「まなざし」ほか。 
  鈴木留利子 「時として」1・2(下写真) 「冬の海」 「無題」
 
  本日の訪問 7名、 
      絵のような一日じゃない?

  

2 コメント

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絵のようです。 (ふくら雀)
2009-09-23 05:51:23
トンボの写真、虫を追う父子の写真の物語、
虫の交響曲をBGMにしたヒヤシンスハウスからの眺めに相応しいものですね。
素敵な写真をありがとうございます。
「浮かんだ心」私の「漂う心」は丸くはないようです。このような作品の展示もなされるのですね。
これからの季節は、ガイドボランティアも忙しくなられるでしょう。お体、ご自愛ください。
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すてきな父子 ()
2009-09-23 11:11:47
 ほほえましい父子がハウスにもいらっしゃいました。お父さんの子育て…たのしそうですね。息子もそうですが良い時間を共有しています。蝦蟇さんはほんとうにもったい無いことをしました。あんな時間は二度とないのですから。
 芸術家コロニーをめざしていた詩人のきもち、文化の発信基地に… 思いがあります。
 季節の変わり目です ふくら雀さんもおだいじに
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