別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

あづさ弓

2012-04-01 | こころ模様

今日から4月  月日のたつのはなんと早い

  あづさ弓春立ちしより年月の いるが如くも思ほゆるかな  凡河内躬恒

 
春になってから  
まるで弓で矢を射るかのように早く過ぎて行く と
昔もいまも変わらない  いえ  昔よりも もっと早く感じられる

    

 

  近所の白木蓮が いっせいに開いた
  白い鳥が群がるように


朝早く  ポストに贈り物が…
  
 表紙は縮緬 和綴じノート  地色に若竹 柳色 藍の暈かし 
 手鞠 笹など染められて。 
 せめて見れば 金枝に花が散らしてある 
  うれしいな  ありがとう! 
 
 もうひとつ 小さな包みの上書きに


 

  あづさゆみ春は寒けど日あたりのよろしき処つくづくし萌ゆ

 と したためてある。  春は寒けど  つくづくし萌ゆ…  茂吉の歌だ。

     春をちょっぴりお届けしますね 

 彼女のセンスに唸ってしまう  いつも季節感をだいじにするひとだ
  風が冷たいなか 土筆をたくさん摘んで袴をとって 
 手間隙かけてつくる佃煮  煮ればかさも減って 
  それを これほど  たやすく頂くしあわせ  
  友のやさしい味だ
   ほろ苦い早春の香り 出汁が効いて甘辛い
   舌に載せて深い旨みを味わった 
    
  
  美しいノートには その日拾ったよい言葉だけを記していこう
   季節感を綴じこめておこう
    彼女を思いながらそう思った

 メモ… 「つくづくし」  土筆の異称   「つくしんぼ」  「筆の花」 とも
  梓弓  梓で作った弓 「はる」にかかる枕詞


 噴水のりちぎに噴けり万愚節   万太郎

 万愚節なればこそ  りちぎな噴きあげのおかしみ 
 今日も別所沼では りちぎな噴水がしぶきを高く上げているでしょうね 
  四月馬鹿  エイプリル・フールズ・デイ
  今日の蛙  誰もだませなかったよ  

 きのうの風信子忌 
 親類の告別式があり伺えませんでした

  
  

コメント
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