2度目のグレートコメットは、いよいよ待望のコメットシートとあって、買ったばかりのニットでいつもよりちょっとおしゃれして行きました。
・・・・が、しかし、これが大失敗 一幕に降ってくる大雪はポップコーンという噂でしたが、どうも発砲スチロールっぽい。で、頭の先から靴の先まで擬似雪だらけになってしまいました
それはさておき、グレートコメット。2度目とあってだいぶ世界観がわかってきました。これは、もう本当に細かいこと言わずただただ楽しんでしまえばいい!
オープニングのアンサンブルさんたちの盛り上げ方も半端なく、また今夜はイープラスとおけぴの合同貸切とあって、お客さんもノリがいいです。私の座ったXBブロックテーブル席は、3人用でしたが、皆さん日頃から同じように劇場通いしているとのことで、初対面にもかかわらず、すぐに仲良くなって、舞台の話で盛り上がりました
コメットシートからのながめは、それはそれは不思議なにせ役者さんと同じ場所なので、正面の1階席や2階席が見渡せます。目線は舞台より下、舞台のラインから頭ひとつ飛び出す感じ。なので、役者さんたちが客席でお客さんたちと盛り上がっている様子も見えます。そして。座席をぐるっと囲んだ通路で演技なので、しばしどっち向いていいかわからなくなったり。隣の方ともども、スポットライトが当たってる方を追う感じでした。
特にナターシャとアナトールが駆け落ちを企てる直前のどんちゃん騒ぎシーンはすごかったです。激しく手拍子し、足を踏み鳴らし、歌い、踊り、武田真治さん(このときはアンドレイじゃなくてコサック)サックスを、、アナトール小西くんがヴァイオリンを、ピエールがアコーディオンをかき鳴らす、その中に本当に参加している感じ。なんというか、なにこれすごい楽しい
座席のあたりにも、役者さんたちがどんどん来ます。私の前のかぶりつき席のお嬢さんは、アナトールに手をとられ、その手にキスされてましたそして、お向かいのブロックのイケメンのお兄さんはマリアに結婚を迫られ、右のブロックの方は老ボルコンスキー公爵に誘拐されそうになってました彼女には、ピエールがおわびに何か渡してましたいいな~
井上ピエールの存在感はやはりすごくて、歌い上げる曲はもうプレイハウスを支配しているといっても過言ではないくらいでした。そして、ソーニャのナターシャを思う歌にももう、涙涙「あなたを絶対に守る!」こんな友人がいるのよ、ナターシャ!チャラ男についていっちゃだめ!と、心から叫びたい衝動に駆られました近くで見たナターシャは細い腕から裸足の足先まで、本当に白くて華奢で美しかったです。ピエールとナターシャの純真さとエレンとアナトールのやさぐれ兄妹との対比がすごいです なんでピエールはエレンと結婚しちゃったんですかね。。。たびたび使われる不協和音が、歪んだ生き方を表しているかのように不安を誘います。
絶望の淵にいて呆然自失のナターシャに、「もし自分がもっと立派で美しかったら、あなたに愛を乞うでしょう」と歌うピエールにも胸打たれました
テーブルに置かれた丸い照明も、天上の星や照明とともに変化し、とても美しかったです。最後の、ピエールが彗星に心を動かされる場面。たくさんの星がきらめきながら静かに降ってきて、彗星が大きく輝くさまは本当に本当に美しかったです。
ちょっと疑問に思ったんですが、100分de名著のにわか学習で、このころのロシア上流社会はフランスにかぶれていて、ピエールも本当はピョートル(ナターシャがある場面でピョートル!と呼びかけてました)なのにフランス風に呼んだりしてます。なのに、ナターシャがアナトールにI LOVE YOUI LOVE YOU と連呼するのは??ここはジュ・テーム (Je t'aime)では?・・・な~んてつっこむのでした。でも、楽しかったからいいや。
カーテンコールではご挨拶がありました。再演あるかも。
コメットシートのドリンクは赤ワイン、白ワイン、ジンジャーエール、オレンジジュースからチョイス。私は下戸なので、ジンジャーエールいただきました。これからコメットシートにいらっしゃる方は、観ている間 絶対にフタをあけっぱなしになさいませんように。擬似雪がガッポリ入っちゃいますからね