pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ミュージカル ファントム@赤坂ACTシアター1階H列上手

2014-09-23 21:17:32 | 観劇/コンサート

原作/ガストン・ルルー
脚本/アーサー・コピット
作詞・作曲/モーリー・イェストン
翻訳/伊藤美代子
訳詞/荻田浩一
演出/ダニエル・カトナー、他。

キャスト/
ファントム(エリック):城田優
クリスティーヌ:山下リオ
カルロッタ:マルシア
ゲラール・キャリエール:吉田栄作
フィリップ・シャンドン伯爵:日野真一郎
ほか

あらすじ/
19世紀後半のパリ、オペラ座通りの遅い午後。無邪気で天使のように美しい娘クリスティーヌ・ダーエが、歌いながら新曲の楽譜を売っていた。群集の中にいたシャンドン伯爵(フィリップ)は、彼女の声に魅せられ引き寄せられている。オペラ座のパトロンの一人であるフィリップは、クリスティーヌがオペラ座で歌のレッスンを受けられるように取り計らう。
オペラ座では支配人のゲラールが解任され、新支配人のショレが妻でプリマドンナのカルロッタと共に迎えられた。ゲラールはショレに、オペラ座には幽霊がいると告げる。そしてオペラ座の一番地下にある湖のほとりが彼の棲家で、自らを“オペラ座の怪人”と呼んでいると。しかしショレは、この話は解任された事への仕返しとして、ゲラールが自分を怖がらせるために言っているに過ぎないと取り合わなかった。ある日、オペラ座を訪ねてきたクリスティーヌを見たカルロッタは、その若さと可愛らしさに嫉妬し、彼女を自分の衣裳係にしてしまう。それでもクリスティーヌは憧れのオペラ座にいられるだけで幸せだった。
ある日、クリステスティーヌの歌を聞いたファントムは、その清らかな歌声に、ただ一人彼に深い愛情を寄せた亡き母を思い起こし、秘かに彼女の歌の指導を始める。その甲斐があり、ビストロで行われたコンテストで、クリスティーヌはまるで神が舞い降りたの如く歌った。クリスティ-ヌの歌声を聞いたカルロッタは、彼女に「妖精の女王」のタイターニア役をやるように進言する。フィリップはクリスティーヌを祝福するとともに、恋心を告白する。ファントムは幸せそうな二人の姿を絶望的な思いで見送るのだった。
「妖精の女王」初日の楽屋。カルロッタはクリスティーヌに、緊張がほぐれると言って酒盃を差し出した。しかし、これはクリスティーヌを潰すための罠だったのである。毒酒と知らずに飲んだクリスティーヌの歌声は、ひどいありさまだった。客席からは野次が飛び、舞台は騒然となる。怒ったファントムは、クリスティーヌを自分の棲家に連れて行く。それはクリスティーヌへの愛情表現に他ならなかった。しかし、それがやがて彼を悲劇の結末へと向かわせることになる・・・・・。


 赤坂のファントムは大沢たかおさんの初演再演も観ましたが、いずれも主役のお二人の歌がどうにも受け入れ難く・・・演技や立ち姿は決して悪くないんですよ(・・・んじゃ、なんで行くんだっていう話ですが

今回、そこのところがクリアになり、と~っても満足しました。城田くんはもとより、大塚ちひろちゃんの妹さん、山下リオさんも高音がきれいに伸びて、登場の「メ~ロディメロディ~」からひきこまれました。オープニングもミュージカルらしく明るく華やかもう、わくわく意外だったオペラ座の旧支配人キャリエール、吉田栄作さんも渋い演技で泣かされました。これは「父と子」の話でもあるのでしたね。そこで泣かされるとはあの若き日の無類のかっこよさを誇った栄作さんがねえ・・・渋い老紳士を演じる日が来るとはねえ大好きだったんですよ。我が家には顰蹙を買いそうなほど大きな栄作さまのカレンダーがあったもんです。ちょっと心配していた歌もばっちり。そりゃそうだ。栄作さまはシンガーでもあったのですよね。

ファントム、城田くんは舞台映え、歌唱力、演技、どれをとってもばっちり。四季の怪人が「艶っぽい神秘的な大人の紳士」であるのに比べると、かなり若さと人間臭さのあるファントム。終演後のトークショーでも「かっこいいファントムにもできたと思うけれど。今回はあえて人間臭くてかっこわるいファントムにしたかった」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりで、迷い、ゆらぎ、激しく感情的なファントムでした。子役ちゃんは何人か日替わりのようでしが、今日の子ファントムくんはお名前からみるとハーフの方のようで、城田くんに似た面持ち。子ファントム、いえ、子エリックとママ、大人エリックとクリスティーヌがだぶるシーンは本当に縮小コピーのようで幻想的で美しかったです。

初演・再演で特に気になったエリックがクリスティーヌにレッスンするシーンも、エリックのリードが正確で美しく、復唱するクリスの声も美しくで、聴いていてここちよかったです。ずーっとひっかかっていたこのシーンで納得できたことが本当にうれしい私なのでした。

今回は通路使いは一切なく、お目当てでもあったアンサンブルの阿部よしつぐさんは、絵描きさん、貴族、おまわりさんなどなど、たくさんの役をこなしていらっしゃいました。

客席に宝塚でファントムをされていた春野すみれさん、蘭寿とむさんがいらしてるな~と思ったら、トークショーにご出演でした。城田くんとは頭ひとつ違うのに、座ったらみな同じ高さ・・城田氏の足の長さったら半端ないですねそして、本番とはまた違った素直な天然発言に、すっかりハート持っていかれました

それにしてもね~クリスティーヌさん、悲惨な生い立ちのエリックを優しさですっぽり包んでおきながら一瞬で必殺手の平返し、そりゃないよね

 

コメント (2)
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