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pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

特別展「没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち―」@山種美術館

2012-11-24 21:28:01 | ミュージアム

好きな舞台があればひとりでどこまでも行ってしまう私ですが、美術館にひとりで行くのは初めてだと気づきました。

それでも行きたかったのは、このポスターの写真にある竹内栖鳳作「班猫」をどうしても見たかったからです。

数か月前、テレビでこの絵が紹介された時にビビっときたのは、やっぱりこの猫がチャメに似ていたからにほかならないのですけれど、まるで猫の気持ちまでも写し取ったようなこの絵にはすっかり魅入られてしまいました。

すぐ近くでまじまじと拝見すると、猫の毛の一本一本を色を微妙に変化させながら緻密に描写してあり、思わず息をのみました。まるで本物のビロードのように滑らかな猫の毛の質感が見事に再現され、触りたくなってしまうほどです。そして、その目の色は深くて吸い込まれそう。今にも絵の中から「にゃ~ん」と飛び出してきそうです。モデルになった猫は自筆の絵一枚と交換に八百屋のおかみさんから栖鳳のもとにもらわれたそうですが、こんな可愛い猫、私ならいくら積まれても絶対手放さないのになあと余計なこと考えてしまいました。

  ほらあ・・かわいい!

 

竹内栖鳳という画家は横山大観と同じ時代に生まれて京都画壇で活躍し、太平洋戦争の時代に亡くなっています。なのに教科書の美術史などには必ず取り上げられる横山大観とは対照的に地味な評価だったようです。

私もその番組を見るまではこのお名前を見聞きした記憶がないように思います。でも、この作品の素晴らしいこと!

作品の中には犬や雀、栖鳳がヨーロッパに渡った時に動物園でスケッチしたという虎やライオンなどもありました。

どれも、どこか優しいまなざしが感じられて温かい気持ちになりました。ちょっと無理してでも行ってよかったです。

山種美術館は何度か場所を変え、現在は広尾にあります。渋谷からバスで行きましたが、帰りは国学院の脇を通って渋谷駅まで歩いてみました。

結構距離はありましたが、ヒカリエが見えていたので、こんなことでもなければ通りもしないだろうなあと思いつつ、広尾~渋谷の散歩を楽しんだ晩秋の一日でした。

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第96回二科展@国立新美術館

2011-09-10 20:37:12 | ミュージアム

親友チェシャ猫さんのお知り合いが出展しているということでお誘いをいただき、初めての二科展、初めての国立新美術館へ。乃木坂駅直結なんですね~感動しました。

今まで「THE ハプスブルク」など興味ある展示も山ほどありましたが、行きたい展示は新聞やテレビでものすごい混雑っぷりが報道されるので敬遠していました。でも、これなら平日夜でも行けるかも。金曜夜は20時まで開館しているそうですから。

まずは館内にありながら、まるで聖火台の上にあるような天空フレンチレストラン「ブラッスリー・ポール・ボキューズ ミュゼ」でランチコースをチョイス。メインはお魚にしました。

 

 白身魚のエスカベーシュ爽やかなハーブの香りのゼリーと共に

このクオリティーで2000円は格安。展示を見る前に食事を済ませたのは大正解で、私たちが食事を終えるころには順番待ちの人が文字通り長蛇の列でした。

1階は会員の大作展示なので公募作から見た方が・・・とのことで、3階から見始めました。が、公募作とは言え、どれも100号前後の大作ばかり。驚いたのは、展示を見ている人たちがカシャカシャと作品の写真をとっていた事。「え~!?いいの?」中には、作者らしき方と作品の前で記念写真をとる姿も。普通の美術館ではありえませんが、公募展だからなのでしょうか???かなり気がひけましたが、そんならと、私も気になった絵を一枚とりました。写真では分かりづらいですが、黒い背景の猫の絵から立ちのぼっているのは金色のオーラです。猫にはそんな不思議なオーラがあるのを、この絵の作者も感じているんだなあと思いました。

 

2階には、二科展常連の工藤静香さんの作品もあり、写メを撮る人でいっぱいでした。「ふたりも子供がいて、いつ描くのかしらね・・」
「学校行ってる間じゃないの?」という主婦の会話が聞こえてきて、思わず笑いました。

絵画・写真・彫刻・デザインなど、おびただしい数の作品群を見終えるのに約3時間半。もっとかな。どの作品も「この1作」と気合を込めた作者の想いが伝わってきて、とても濃い空間となっていました。半端でない作品数の写真会場は、やや込み合っていましたが絵画や彫刻の展示はゆっくりと見られて、またもう一度見たい作品の場所に戻るのも容易で、ここち良い時間を過ごすことができました。こんな大きな作品は無理ですが、私ももう一度油絵に挑戦してみたくなりました。誘ってくれたチェシャ猫さんに感謝!

帰りはミッドタウンの虎屋茶寮で美味しい白玉あずきをいただき、超シアワセな一日となりました

また来年もぜひ行ってみたいです

コメント (2)
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上野の杜のお楽しみ・韻松亭~コロー光と追憶の変奏曲

2008-08-24 21:17:45 | ミュージアム

学生時代の友人達と毎年恒例のプチ同窓会。

今年は上野の杜。まずは韻松亭でランチ。中庭の見える個室で花籠膳(月)をいただきました。目にも美味しいランチと楽しいおしゃべりでおなかがいっぱいになったところで、西洋美術館へ。途中、人だかりがしているなあ・・・と思ったら、バグパイプのパフォーマンスをしているお兄さんがいました。

 




西洋美術館では、以前から見たいと思っていた「コロー/光と追憶の変奏曲」を鑑賞。場内はまあまあの混雑ぶり。フェルメール展に流れたかな。コローのモナリザといわれる「真珠の女」も素敵でしたが、私が心ひかれたのは、「傷ついたエウリュディケ」という一枚でした。

 

 

この絵は、ギリシャ神話オルフェウスの物語を題材にしたものだそうです。オルフェウスの妻エウリュディケは毒蛇に噛まれて死んでしまいますが、彼女を冥府から取り戻すため、オルフェウスは得意の竪琴で冥界の王の心を動かし「冥界を抜け出すまで決して後ろを振り返ってはならない。」との条件付きでエウリュディケの冥界抜けの許しを得ます。

ところが、出口の光が見えたその時、妻が後ろにいるかどうか不安になり、つい振り返ってしまいます。それがふたりの永遠の別れに。この絵は、ヘビに噛まれた直後なのかな。私には、せっかく再会できた夫と再び別れなくてはならなくなった彼女が、泣いて泣いて泣きはらした後の悲しみとあきらめの表情に見えました。


このあと、常設展も見て、ちょっと一休み。館内の「すいれん」でお茶に。ここでも話に花が咲きました。楽しい話も辛い話もいっぱいね。この歳になると自分の先行きは自分で決めていかなければならないけれど、迷い道の四つ角で立ちすくんでしまった友達の、方向選びの相談くらいにはのれるかもしれない。
のかな・・

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