【脚本】ダン・ゴードン
【上演台本・演出】松井周
【出演】藤原竜也 椎名桔平 安蘭けい 横田栄司 吉本菜穂子 渡辺哲
1幕75分 休憩15分 2幕70分
【あらすじ】
事業に失敗して破産寸前のチャーリー(藤原竜也)の元に、自分を勘当した父の訃報が届く。
莫大な遺産全てが自分のものになると期待して帰郷するが、財産を受け取るのは、いるはずのない兄のレイモンド(椎名桔平)だと聞かされる。
チャーリーはなんとか財産を手に入れようと、重度の自閉症患者である兄を施設から連れ出すことを決意するが・・・。
ダスティン・ホフマンが自閉症の兄、トム・クルーズが弟を演じたあの映画「レインマン」から、もう30年もたつんですね。「レナードの朝」と並ぶ、大好きな作品。
今回は兄を椎名桔平が、ということで、速攻チケットをとりました。(かつては兄を橋爪功、弟を椎名桔平が演じたそうです。観たかったな~)
幕開きからハイテンションな弟、チャーリー。マシンガントークなのに台詞が全部ちゃんと聞き取れるのはさすが藤原竜也兄、レイモンド椎名桔平。まさかのマッシュルームカット
が、しかし。素晴らしい。
私事ですが、私の勤務先にもレイモンドと同じ障害を持った青年がしばしばやってきます。その彼とまるで同じ動き。同じテンポの会話。本当に驚きました。かつて、元スマップの中井くんがサヴァン症候群の青年を演じた時も、すごいなあと思いましたが、椎名氏すごい!おそらくはものすごく研究されたのだと思います。
はじめは疎遠だった父の遺産目当で兄に接触していたのに、兄との旅の中で既に記憶から消えてしまっていた子ども時代のことを思い出す弟。そして、兄が施設に預けられた訳、父の思いなどを知ります。このあたりの心の動きが、もう本当にすごいです。映画の中では確か兄の驚異的記憶力をカジノで発揮して大勝ちする場面がありましたが、そこは案外あっさり。
でも、現在の後見人や精神科医との対決の中で、お金ではなく兄の幸せだけを願うように変化していく弟にほろり障害を抱え、知恵遅れと言われようとささいな失敗で施設に送られようと、弟を思う兄の大きな温かさにほろり
でした。
弁護士、空港警備の人、精神科医を横田栄司さん。この前ここで観たヘンリー5世では、頭にニラくっつけたフルーエリンだったとは思えません。藤原君とぴったり息があってるのはさすが。
カーテンコール1回目は自閉症のレイモンドとして登場した桔平氏。カーテンコール2回目には素の椎名桔平として登場。同じ姿で同じように手を高く振っても、微笑んでも、1回目と2回目がまったく違った人物に見えてしまったことに本当に驚きました。椎名桔平おそるべし。
桔平氏、ストレートには珍しくオールスタンディングとなった客席に明らかに知り合いを見つけた様子である方向に別なお手振りしてると思ったら、仲村トオルさんが来てましたお名前わかりませんが、今日は俳優オーラを持った方が客席に多数でした。あんな人やこんな人もいたのかも。
追記:3日の朝イチで、小栗旬さんが同じ時にこの舞台観てたと言ってました。