sheep (シープ)
ニュージーランドでは、羊の数の方が人口より多い。確かに、羊をよく見かけた。日本ではあまりお目にかかることのない、子羊の羊毛を使用したセーターというのも、方々で販売されていた。「病気になったり、弱ったりしている子羊を使うのだ」から、動物の命を大切にした上での行為、つまり動物愛護のポリシーに反することはない…そんな説明を加えられながら。
これも周知の事実だが、ニュージーランドには、もともと羊はいなかった。スペイン生まれの丈夫なメリノ種が、オーストラリアの大地で根付き、やがてニュージーランドに持ちこまれた。ちなみに、同じように持ち込まれた猫などは、固有種キーウィの天敵となってしまった。我々人間も、発展途上中、いろんなことを学習中なんである。
羊と人の関わりは長い。様々な神話や宗教に登場する羊。オイル、羊肉、羊毛、洋皮紙と、羊の命は、人々の暮らし、命の繋がりに大変な役割を果たしてきたようだ。しかしながら、私自身、日本で羊を見かけたことはなかったし、羊肉を食べたことも、ニュージーランドに行くまではなかった。イギリスでも、フランスでも、その他欧州を巡っていた頃、チャンスはたくさんあったはずなのだが…身近に感じてなかったので、無意識に避けていたのかもしれない。
残念ながら、日本の湿潤な気候には適さず、広く定着することのなかった羊。もし、定着していたならば、周囲の風景も、羊と人の歴史への親近感も、もっと違ったものになっていたかもしれない。[y]
スペインからオーストラリアへの羊の移動はこちらを読んでね!
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