ピッコロ便り

ピッコロシアター、県立ピッコロ劇団、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校など、劇場のトピックをご紹介します。

オフシアターVol.28「寿歌」♯1 稽古3日目 稽古場が世界につながる

2013年03月08日 | ピッコロ劇団

オフシアターVol.28「寿歌」「私のかわいそうなマラート~焼跡のワルツ~」稽古は本日もフル稼働でした。二作上演ということで、稽古場を時間で区切って2チームで稽古を行っています。本日は、13時~16時にマラートチームが、16時半~21時に寿歌チームが稽古を行いました。そして本日は、稽古の間に広報用写真撮影も行いました。公園での撮影に近所の子ども達も興味深々で見つめていました。


稽古レポート第二弾の本日は、寿歌の立ち稽古での感想を少し。

この作品は、数多くのカンパニーによって上演されてきた名作です。毎年必ず、どこかで「寿歌」のチラシを見た覚えがあります。今回、「寿歌」を演出するのは、昨年春、オフシアターVol.26「エレノア」でも演出を務めた吉村祐樹。「エレノア」では、登場人物を丁寧に愛らしく描いていて一人一人のキャラクターが印象的だったという感想をいただくなど、多くの方から高評価をいただき、ピッコロ劇団でも今後の活躍が期待されている演出家です。

今日は、稽古3日目。既に、立ち稽古が始まっていました。
演出の仕方ひとつによって、台詞の印象がガラリと変わり、蒸気が噴き出すように、シーンがふわぁっと立ちあがり迫って来る。今まで稽古場という殺風景な空間にいたはずが、作品世界の、広大で茫漠とした異世界へ誘われたような感覚に陥り、印象深かったです。

作品作りへの道筋。演出家、役者、スタッフの一人一人が作品に向かう準備に多くの時間を費やし、その準備のもと、各々が稽古場に集う。そして100数時間の稽古の積み重ねにより、1時間半の一つの作品が創り上げられる。このような当たり前ですが、重要なことを感じられ、今後この世界観が更に深く細部まで作り込まれていくのが楽しみになる稽古でした。

劇団部制作 貴田